弘前・ダ サスィーノ 地産地消の理想像はここにあり!イタリアンに乗せて地元色で地元食を作り出す。 ~その1~

03/08/2007青森,東北,パスタ/ピザ/イタリアン,よるどき

 旨いランチと地元食フリークの皆様、ひるどきでございます!!!!!!
 ところで、現在のひるどきは何位になっているでしょうか?
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 弘前で委員会を終えた日の夜、夕食として向かったのは出張前に読んだBRUTUSで見つけて、どうしても行ってみたかったこのイタリアン。
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 店内に入ると、まだ早い時間だったせいか、お客さんは自分だけ。なので、「どの席でも」と声をかけていただいたのだが、やはり、厨房を目の前にしながら食べられるカウンターに腰掛けたくなる。
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 さて、このお店のディナーメニューは、3種類のディナーコースとアラカルト。ということで、おまかせコース(8,000円)を、チーズの盛り合わせを組み合わせて注文。炭酸水をパートナーに厨房の動きを楽しむことに。


・ブラックオリーブ、自家製のチーズ、ケッパーベリー
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 最初の一皿は小さなポーション。だからこそ、丁寧に味を感じたくなる。
 口に入れた瞬間、そしてかみ締めた時に広がる、それぞれが持つ世界。苦味やコク、いい意味でのクセ。そんな素材が持つ要素が、シンプルに引き出されている。
 お皿が空になると、カウンターの横に大きなワイン箱が運ばれてきた。
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 中に入っているのは、自家製のプロシュート・クルード。18ヶ月の熟成を経て生み出された味が、丁寧に一切れ、また一切れと切り出されていく。
 このお店の一番の特長というのは、ハムやチーズ、そして野菜。可能な食材は全て、自家製のものを使っていること。つまり、本気の地産地消。
 そんな生ハムが熟成されている場所は…
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 お店の入口に設置されている、温度管理されたワインセラー。ここが生ハムやチーズの熟成庫としての役割も果たしている。シェフの笹森氏が日々刻々と変化する状態を見続けて、ようやく熟成完了となったのが今年の4月。
 そんな、タイミングよく遭遇できたプロシュートや、これも自家製の3ヶ月熟成されたコッパ(肩ロースの生ハム)、スペック(豚モモのスモーク)、ソプレッサータ(サラミ)、鴨胸肉の生ハム。褐色のグラデーションで彩られた一皿が運ばれてきた。
・アッフェッターティ・ミスティ
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 塩味と絡まる肉のエキスが濃厚なプロシュートに始まって、スパイスと肉の旨みの足し算が魅力のコッパ、個々の部位に宿る旨みがベストセレクション的に凝縮されたソプレッサータ、燻される様子が浮かんでくるように芳醇な香りのスペック、逞しい旨みがぎっしり詰まった鴨…オーケストラのように構成される一枚一枚が、強い印象を与える。
 そこに加わるのが、自家製のルッコラとメロン。バルサミコで酸味と甘みが加わったルッコラの味は、生ハムに負けず…というよりは別のレベルで濃厚な味。メロンも「生ハムメロンにするのは勿体ないなぁ…」と思いつつ、プロシュートでくるり。出来上がったのは日本一の生ハムメロンだった。
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 もちろん、パンも自家製。パリっと香ばしい皮の食感の後に広がるは、重厚なハーブの香りやドライトマトの酸味。
・スプーン前菜の盛り合わせ
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 最初、コースを注文する際に、前菜の組み合わせに迷っていたのだが、ワンスプーンの構成も受けてくれるということで、出してもらったのがこの4品の盛り合わせ。
・朝じめシャモロックの胸肉カルパッチョ
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 大鰐町にある農場から仕入れているシャモロックの胸肉に、軽くオイルをあわせたもの。でも、これがメチャメチャ旨い!
 見た目から圧倒的な弾力の持ち主であることを発しているのだが、スプーンを口に入れてかみ締めると、想像をはるかに上回る弾力。そしてクニュクニュとかみ締めるたびに、甘みをも感じるエキスがこれでもかとあふれ出す。
 とにかく、食べていて楽しくなった。
・焼きトリッパ
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 表面が香ばしく焼かれたトリッパの上には、細かく刻まれたナスやトマトが。肉の強さに加えて野菜のコクや酸味がそれを更に引き出している。ただ、野菜自体がすこぶる旨いので、引き出すというよりはむしろ、相乗効果になっている。
・シャモロックのレバーソテー
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 一言で、とろける。というより、完全に口の中でとろけた。飾らないシンプルな味付けだけに、圧倒的なレバーの力が際立つ。
・ガチョウのフォアグラテリーヌ
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 デザートワインを吸わせた土台と岩塩という、尖ったものと丸いものとによる調味によって、フォアグラのコクが導かれ、口の中で絡み一体になると、心地よさ、というよりは気持ちよくなる。
 まだ前菜の時点なのに、こんなにも圧倒されるとは思っていなかった。そんな余韻の中で、次に運ばれてきたのは…
後編に続きます。
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著者プロフィール

takapu

ごはんフォトグラファー/Local-Fooddesign代表
食にまつわる各種コンテンツ制作(フォトグラファー、エディター、フードライター、インタビュー)、商品開発・リニューアル提案、PRツール・ロゴ制作などを手掛けます。
創業75年以上の老舗食堂を紹介するウェブサイト百年食堂の制作・運営もしています。
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Posted by takapu