弘前・ダ サスィーノ 地産地消の理想像はここにあり!イタリアンに乗せて地元色で地元食を作り出す。 ~その2~

06/08/2007青森,東北,パスタ/ピザ/イタリアン,よるどき

 旨いランチと地元食フリークの皆様、ひるどきでございます!!!!!!
 ところで、現在のひるどきは何位になっているでしょうか?
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 カウンター越しに見える厨房では、お客さんの数が増えるにしたがって、接客も担当するシェフそして若い二人のアシスタントによる、チームワークと緊張感が入り交ざった空気が漂っていた。
 その空気を感じながら、前菜2種類を食べた後は、黄色のグラデーションが印象的な一皿が運ばれてきた。


・アーティチョークのトルティーノ、自家製チーズのソース
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 再び自家製素材の登場。自家栽培のアーティチョークをソテーしたものと、シェフが育てている烏骨鶏の卵黄、自家製チーズ、生クリームをタルト生地に流し込んで、席から見えるオーブンで焼いたもの。ソースは、自家製チーズとホワイトソースの組み合わせ。
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 ムニュムニュ、サクサクとした不思議な食感のタルトの中で際立つのは、やはり、アーティチョークのクニュっとした独特な食感。そして、ソースの気持ちいい甘さ。チーズとチーズの組み合わせで、楽しい味の組み合わせが生まれる。それは、素材力に導かれたシェフの構成力が発揮されてこそ。
 そして、ここからはパスタが2皿。
・ウニ、イカ、ドライトマトのソースが絡んだ、手打ちキタッラ
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 ウニのすごいコク、イカのすごい弾力、ドライトマトのすごい酸味。このすごい組み合わせが絡んだキタッラと、ソースの強さがベストコンビとなっている。手打ちのキタッラの茹で加減も申し分なく、ソースに使われている一つ一つの材料の特長が、キタッラの食感によって更に印象的なものとなっている。
・烏骨鶏のタリアテッレ、カルボナーラ仕立て
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 タリアテッレと同じような太さにカットされたアスパラガス、パンチェッタが絡んだ一品。
 黒胡椒の刺激からスタートし、ムチムチとしたパスタの食感の上で繰り広げられる、アスパラガスの強い瑞々しさ、パンチェッタの塩で引き出された旨み。それをまとめているのが、烏骨鶏の玉子やチーズのまろやかな味。
 ソースの味が強いにもかかわらず、一番アスパラガスの印象が残っているのは、見た目以上の存在感を、色々な部分で感じたから。
・イノシシと自家栽培野菜のグリル
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 本当は、鯵ヶ沢産のイノシシが食べたかったのだが、あいにく、この日は入荷がなかったので、コンディションが同じだという輸入もの。
 とはいえ、肉の滋味が焼き加減で引き出され、脂ではなく純粋にエキスがたっぷり詰まった味となっている。
 そして、それ以上に旨かったのが、自家栽培の野菜。どれも香りが強く味も濃い!
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 タマネギであればタマネギの味がこんな感じだったらなぁ…という理想どおりの味であり、丁寧に面取りされたニンジンも、口の中でうぉう!と広がる魅力的な香りと独特のクセ。ニンジンが苦手な人はこのクセがなかったらという感じなのだろうが、このニンジンはクセがあってこそのもの。
 肉の滋味と野菜のカラフルな味を堪能した後、席に横にチーズが運ばれてきた。
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 鯵ヶ沢の牧場からジャージー牛の牛乳を入荷し、色々な方法で生まれたもの。
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 熟成によって醸成されたこの香り、このトロ~っとしたルックス、全てが魅力的。
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 このチーズもワインセラーで熟成されている。棚ではなく発泡スチロールに入っていたのが、妙にハンドメイドな魅力をかもし出している。
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 この日出してもらったのは6種類。手前に映るモスタルダ(イタリア語でマスタードの意味なのだが、果物を甘く煮込んだもの)と一緒に食べる。
 いやぁ…チーズ単体でも濃厚で個性的で十二分に旨いのだが、モスタルダと一緒に食べると何倍も味が広がる。こちらの方のような豊富なチーズに対する知識を持ってないので、相性うんぬんとかの話はできないのだが、ハードタイプとのメリハリが効いた味、ソフトタイプとの一体感。どちらもたまらない。
・朝摘み木苺とジャージーヨーグルトのムース、自家菜園ミントのジェラート添え
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 ジャージー牛の牛乳の力が十二分に発揮された、まるでアクセルを全開にふかすようなコク、でも、しっかりと酸味が効いているところに、タルトの甘いアクセントが加わり、全体をミントの爽快感が溢れるジェラートが口をすっきりさせる。
 そして、主役の木苺の酸味と甘みがとにかく心地いい。プチュプチュとした楽しい食感から広がるのは凝縮された野生の強さ。上に添えられたオレンジチップの不思議な食感と存在感も、アクセントとして効いている。
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 食後のハーブティーと小さなお菓子。これを飲みながら、今日食べてきた料理の余韻に浸ろうと思ったのが…一口飲んで感動。はっきり言って、今まで飲んできたハーブティーが何だったのかと思ってしまった。
 やっぱり、こんな素材を生み出す青森ってすごいし、シェフのこだわりもすごい。色々な要素に祝福された土地と熱い思いが組み合わさって生まれる料理こそが、本当の地産地消を教えてくれる。そんなことを教えてくれたお店だった。
 次は、どんな食材を味わうことができるのか、楽しみでしょうがない。
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著者プロフィール

takapu

ごはんフォトグラファー/Local-Fooddesign代表
食にまつわる各種コンテンツ制作(フォトグラファー、エディター、フードライター、インタビュー)、商品開発・リニューアル提案、PRツール・ロゴ制作などを手掛けます。
創業75年以上の老舗食堂を紹介するウェブサイト百年食堂の制作・運営もしています。
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Posted by takapu