青森県田子町・田子町ガーリックセンター 聖地のイノベーション
田子町と言えばニンニク。
生産量日本一の青森県においても、
抜群のブランド力を誇る一大産地です。
梅雨時に収穫されたニンニクが畑から姿を現すこの時期は、
町中がニンニクの香りに包まれるといっても過言ではなく、
この時期になると必ずといいほどに、盗難事件も発生してしまいます。
そんなニンニクの聖地たる田子町ですが、
ここでニンニクを食べることができるお店として、
自分が青森に住んでいた時にも耳にしていたのが、
田子町ガーリックセンターという施設。
結局、なんだかんだと行く機会を逃していたのですが、
ある日、ようやく訪れることができました。
腹踊り的なメイクをしたニンニクの出迎えを受けて、
建物の中に入ればたっぷりとニンニクが入った保冷ケース。
大きく立派に育ったものから、小さめに育ったものまで勢ぞろい。
その横には大量のニンニク加工品が所狭しと並んでいます。
にんにく味噌やニンニクカレー、あるいはドレッシングに醤油。
刺激と香りが、味を個性派に演出してくれます。
正直、これが23区内にあったら妙に評判がいいのかもと思ったり。
さて、レストランに向かいましょう。
お店の名前はギルロイカフェ、
友好都市を締結しているカリフォルニア州の市名を使っています。
出迎えてくれたのは、ニンニクの形をしたペンダントライト。
聖地として、期待に応えてくれます。
で、この日は大勢で足を運んだこともあって、
あれやこれやとニンニク料理を注文してみることにしました。
まずは、ガーリックポテト。
ギルロイ市で収穫時期に開催されるガーリックフェスタの定番メニュー。
この感覚は、ケンタッキーダービーの日における、
ミントジュレップといったところでしょうか、
ガーリックパウダーがたっぷり振りかけられた、
ビールにぴったり、そして中毒性の高い味です。
次に、ニンニク味噌の焼きおにぎり。
香ばしさの中にニンニクの香りがしっかり詰まってます。
また、添えられた黒い物体は、
じっくり醤油ベースのタレで煮込まれたニンニク。
口の中で崩れるホクホクの食感から、
ニンニクの香りがじわっと広がってきます。
御当地牛たる田子牛をふんだんに使った牛丼にも、
もちろんニンニクが欠かせません。
ふんわり柔らかく煮込まれて旨い牛丼が、
ニンニクの香りで更にパワーアップ!
飯が箸で走ります。
もちろん、ピザにニンニクが似合います。
ガーリックオイルなんて、このためにあるようなものですから。
ここで、大きなニンニクが丸ごとフライパンで焼かれて登場です。
これぞ聖地の味、贅沢に頬張るのが流儀です。
更に、ニンニク入りの肉味噌が、
たっぷり盛られたラーメンや、
ニンニクカレーもいただきます。
じゃがいもと思いきや、それはもちろんニンニクです。
そういえば、ニンニク味噌の焼きおにぎりに添えられていたのは、
このチャーシューの煮汁に入っていたニンニクなんです。
聖地たる場所のフラッグシップたる施設。
実は、今回食べた料理の大半は、
既存の料理にニンニクを追加したものですが、
ここに、もっと大胆なスタイルでニンニクを使うメニューがあれば、
更にフラッグシップとしての存在感が高まるんだろうと。
そもそも、八百屋さんやスーパーで見かけるにんにくは、
保存性を高めるために水分を少し飛ばした、
いわば半乾燥ニンニク。
でも、産地では生ニンニクが色々な形で食されてます。
例えば、生ニンニクの漬物を漬けたり、
採れたての生ニンニク自体を、お刺身として食べたり。
馬肉やイカなどのお刺身にも合わせるそうです。
それは、産地と距離が近いからこそのもの。
そして、それができるからこそ聖地だと思います。
食材の食べ比べは、色々な所で見かけますが、
同じ薬味を食べ比べる経験なんて、
なかなかできません。
今日から田子町では、田子にんにくの収穫祭が開催されていて、
色々なお店で、特別なニンニク料理が提供されているそうです。
このカフェでも好きなだけニンニクをトッピングできたり、
限定メニューが提供されていたり。
ニンニクマシマシがやり放題。
願わくば、産地であり聖地としての収穫祭の時期に、
生にんにくと半乾燥にんにくの食べ比べができれば、
きっと田子町に広がるニンニクの香りが、
日本中を包みこむんだろうと思います。