青森県田子町・田子町ガーリックセンター 聖地のイノベーション

23/06/2012青森,東北,カレー,ラーメン・ちゃんぽん,丼もの,揚げ物,ひるたび・さんぽ

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田子町と言えばニンニク。
生産量日本一の青森県においても、
抜群のブランド力を誇る一大産地です。
梅雨時に収穫されたニンニクが畑から姿を現すこの時期は、
町中がニンニクの香りに包まれるといっても過言ではなく、
この時期になると必ずといいほどに、盗難事件も発生してしまいます。
そんなニンニクの聖地たる田子町ですが、
ここでニンニクを食べることができるお店として、
自分が青森に住んでいた時にも耳にしていたのが、
田子町ガーリックセンターという施設。
結局、なんだかんだと行く機会を逃していたのですが、
ある日、ようやく訪れることができました。


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腹踊り的なメイクをしたニンニクの出迎えを受けて、
建物の中に入ればたっぷりとニンニクが入った保冷ケース。
大きく立派に育ったものから、小さめに育ったものまで勢ぞろい。
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その横には大量のニンニク加工品が所狭しと並んでいます。
にんにく味噌やニンニクカレー、あるいはドレッシングに醤油。
刺激と香りが、味を個性派に演出してくれます。
正直、これが23区内にあったら妙に評判がいいのかもと思ったり。
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さて、レストランに向かいましょう。
お店の名前はギルロイカフェ、
友好都市を締結しているカリフォルニア州の市名を使っています。
出迎えてくれたのは、ニンニクの形をしたペンダントライト。
聖地として、期待に応えてくれます。
で、この日は大勢で足を運んだこともあって、
あれやこれやとニンニク料理を注文してみることにしました。
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まずは、ガーリックポテト。
ギルロイ市で収穫時期に開催されるガーリックフェスタの定番メニュー。
この感覚は、ケンタッキーダービーの日における、
ミントジュレップといったところでしょうか、
ガーリックパウダーがたっぷり振りかけられた、
ビールにぴったり、そして中毒性の高い味です。
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次に、ニンニク味噌の焼きおにぎり。
香ばしさの中にニンニクの香りがしっかり詰まってます。
また、添えられた黒い物体は、
じっくり醤油ベースのタレで煮込まれたニンニク。
口の中で崩れるホクホクの食感から、
ニンニクの香りがじわっと広がってきます。
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御当地牛たる田子牛をふんだんに使った牛丼にも、
もちろんニンニクが欠かせません。
ふんわり柔らかく煮込まれて旨い牛丼が、
ニンニクの香りで更にパワーアップ!
飯が箸で走ります。
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もちろん、ピザにニンニクが似合います。
ガーリックオイルなんて、このためにあるようなものですから。
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ここで、大きなニンニクが丸ごとフライパンで焼かれて登場です。
これぞ聖地の味、贅沢に頬張るのが流儀です。
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更に、ニンニク入りの肉味噌が、
たっぷり盛られたラーメンや、
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ニンニクカレーもいただきます。
じゃがいもと思いきや、それはもちろんニンニクです。
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そういえば、ニンニク味噌の焼きおにぎりに添えられていたのは、
このチャーシューの煮汁に入っていたニンニクなんです。
聖地たる場所のフラッグシップたる施設。
実は、今回食べた料理の大半は、
既存の料理にニンニクを追加したものですが、
ここに、もっと大胆なスタイルでニンニクを使うメニューがあれば、
更にフラッグシップとしての存在感が高まるんだろうと。
そもそも、八百屋さんやスーパーで見かけるにんにくは、
保存性を高めるために水分を少し飛ばした、
いわば半乾燥ニンニク。
でも、産地では生ニンニクが色々な形で食されてます。
例えば、生ニンニクの漬物を漬けたり、
採れたての生ニンニク自体を、お刺身として食べたり。
馬肉やイカなどのお刺身にも合わせるそうです。
それは、産地と距離が近いからこそのもの。
そして、それができるからこそ聖地だと思います。
食材の食べ比べは、色々な所で見かけますが、
同じ薬味を食べ比べる経験なんて、
なかなかできません。
今日から田子町では、田子にんにくの収穫祭が開催されていて、
色々なお店で、特別なニンニク料理が提供されているそうです。
このカフェでも好きなだけニンニクをトッピングできたり、
限定メニューが提供されていたり。
ニンニクマシマシがやり放題。
願わくば、産地であり聖地としての収穫祭の時期に、
生にんにくと半乾燥にんにくの食べ比べができれば、
きっと田子町に広がるニンニクの香りが、
日本中を包みこむんだろうと思います。

著者プロフィール

takapu

ごはんフォトグラファー/Local-Fooddesign代表
食にまつわる各種コンテンツ制作(フォトグラファー、エディター、フードライター、インタビュー)、商品開発・リニューアル提案、PRツール・ロゴ制作などを手掛けます。
創業75年以上の老舗食堂を紹介するウェブサイト百年食堂の制作・運営もしています。
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