五反田・おにやんま 温とりちくわ(大・560円)
ある日の晩、五反田で菅野祐悟のコンサートを聴いた足で向かったのは、
駅前に構える一軒のうどん屋さん。
店名を象徴する暖簾のイラストに、
赤と青が目を引くメニュー看板。
そして、食券機で悩むうちにあっという間に生まれた行列。
三大アイコンが揃ったところで、
立ち食いカウンターに居場所を見つけて、
麦茶を注ぎながら厨房の手際を伺います。
小鍋に移されたおつゆが温められつつ、
グラグラと湧く熱湯でうどんが茹でられ、
次々と天ぷらが揚がる。
四角い厨房で繰り広げられる三角コンビネーションに見惚れつつ、
鳥ちくわ天うどんが出てきました。
いりこ出汁の泉に泳ぐ、
つるつる滑らかなうどんの口当たりに、心地よいハリの佳さ。
揚げたての鳥天をかじれば、しょうがの効いたエキスが溢れ、
大胆なちくわ天のボリュームに圧倒される。
元々、うどんを啜るときは無心になるものですが、
お腹がふくれるに連れて、「旨い!」という本能の声が
どんどん大きくなってきます。
立ち食いで食べるにはあまりにも美味しく、
値段を考えればあまりの破格。
もしも、自分の生活のすぐ傍にこのうどんがあったなら、
毎日がもっと楽しくなるんだろうと思うのです。