大阪の街歩きに欠かせないのは、やっぱりこの看板。
でも、玉出の鮮やかな黄色い看板が、全部持っていった感があります。
虹をかけるごとく、道頓堀川にバイクのアーチがかかっていたのは、
レッドブル・モトクロスワールドツアーのプロモーション。
考えてみれば、都心は皇居のお濠はあれども川はなく、
こんな豪快な仕掛けができる場所、意外に少ないのかもしれません。
そんな川沿いゆっくり歩いていると、コーヒーが恋しくなるもの。
ということで、お目当てのお店・アメリカンに到着です。
昭和21年に開業したこのお店、
昔ながらなAmericanのサインときらびやかな階段、
そして、ビシっと整った店員さんの制服。
昭和のグランドキャバレーを彷彿させる空間に足を踏み入れると、
広さと独特の空気感にちょっと緊張してしまったのですが、
耳に入る普段使いなお客さんの会話が、少しずつ身体をほぐしてくれました。
赤いメニューに輝く無数の星、
開けば昭和なメニューのオンパレード。
好きなものばかりの中から選ぶのは難しかったのですが、
お目当てだったホットケーキセットを注文です。
キレイなきつね色に整った円形。
見た目にハリのある生地にフォークを通せば、
フカフカの食感が伝わってきます。
あらかじめ一口大にカットされているので、
やることはシロップとホイップを好きなだけ足すことと、
気持ちよく頬張ること。
甘さと少しの塩気が効いた味に乗って、
生地に詰まった空気が口で押される度に、
小麦の香りが広がります。
最初のシロップが生地に染み込んだところに、
シロップを注いでホイップを添えて口に運ぶ。
セットのカフェオレを少しずつ、
コクと香りで口の中を湿らせながら食べ進める。
食べ終えて感じたのは、ここのホットケーキは気取ることなく、
でも、上品なオーラに包まれていたなぁいうこと。
お店の舞台装置の効果も大きいのですが、
やっぱり美味しくなくては、そういきません。
心に残る味って、きっとこういうものだと思います。