富士見台・香菜軒 野菜カレー(900円)
西武池袋線の各駅には、
どの駅にも顔があるように感じる。
それは千川通りの桜だったり、ホームから見えるパン屋さんの看板だったり、
あるいは商店街の姿だったり。
そんな沿線にある富士見台駅の商店街から、
一本路地に入った場所にあるカレー屋さん。
店名から伺える様子は、カレー屋さんというよりはスパイス料理。
しかも、野菜な感じ。入口に置かれたリーフレットを見ると、
ベジタリアン対応のお店らしい。
店内は、土曜の昼時間ということもあって、
女の子同士やご夫婦、あるいはカップルやお一人さま。
色々な組み合わせのお客さんで、
カウンターや大きなテーブルは賑わっていた。
カウンターの上に掲げられた黒板メニューに、
気になるものが2つ3つあり、
注文しようか、そもそも昼に注文できるのか?と、迷ったものの、
最初の訪問ということで、基本メニューの野菜カレーを注文。
スプーンでソースを掬うと、ぽたぽたと野菜の形がそのまま残る柔らかさ。
ご飯と一緒に口に入れると、心地よい香りとまろやかな刺激。
トマトを中心にした野菜の甘みを引き出すのが、スパイスの足し算。
でも、家庭系のカレーとは違うものの、スパイスマニアックスの感じでもない。
この加減だからこそ、頭で「どう美味しいか?」を考えるより先に、
単純に美味しいのテンションになる。
ソースの野菜の甘みに、ゴロンと切られた茄子やじゃがいも、
そしてにんじんの甘さ。カレーに入った野菜ではなく、
野菜の味をこれでもかと引き出したカレー。
やっぱり、ベジタリアン向けのお店なんだと思った。
食後、夜のメニューなんじゃないかと思っていた、
黒板のメニューについて聞いてみると、
「注文できますよ」という一言。
しかも、お店で出しているケーキ類は持ち帰りも可能。
こうなると、通うしかない。