池袋・長尾 ごく煮干し

昨日の未明、和食が世界無形文化遺産に登録されました。
その中でクローズアップされていた要素の一つが「旨味」。
食べた瞬間に顔がほころぶ、いわば笑顔の源泉は、
昔から乾物によって得てきたものです。
そんな旨味をたっぷり得ることができるのが味噌汁。
一汁三菜の中にしっかり溶け込んでいます。
もちろん、その代表格と言えば煮干しです。
ということで、月に1度はやっぱり煮干しラーメン。
味噌汁ではないのですが、
遺伝子の記憶は優秀なタイミングで旨味アラームを鳴らしてくれます。
注文したのはごく煮干し。
レンゲで最初の一口を掬って口に運べば、
極上の煮干しの旨味と動物性エキスのコク。
いつも、ここに来るとスープばかりが先に減ってしまい、
麺を啜るペースも歩調を合わせないといけません。
そう考えると、それは一汁三菜のお重に見られる要素でもあります。
主食たるごはんと味噌汁に漬物。
昔、農家の朝げ(朝食)はそういったものでした。
そこで先に味噌汁を飲んでしまうと…といった感じで。
麺料理はそれは一つの器に入ったものと考えれば、
旨味を”umami”として伝える重要なメッセンジャー。
和食の中にあるumamiの進化系として、
この特長がもっと世界中に広がるためには、
一汁三菜のスタイルに捕らわれすぎると、
勿体ないのかもしれません。