池袋・長尾中華そば_東京池袋店 池袋と地元で食べよう。

そのニュースを知って以来、頭の中でカウントダウンが始まっていました。
池袋のドン・キホーテの裏手、目に飛び込んできた行列の主役は、
タペストリーに記された「津軽煮干」の文字。
ここは、津軽が誇る煮干しラーメンの雄・長尾。
先週から来年の5月初旬までの期間限定で、池袋の地に出店していたのです。
このタイミングで行列に加わりたいぐらい、
煮干しゲージは空っぽになっていたのですが、
はやる気持ちを抑えて、夜の行列に加わってみました。
幸い、昼間に比べると行列は少なく、
食券を買うまでの時間はさほど長くありませんでした。
ガラス戸の先にドンと鎮座する食券機のボタン。
そこには裏メニューの文字もあったのですが、生憎の売り切れ。
ということで、こく煮干しとにぼ飯のボタンを押して、食券片手にしばし待って、
カウンターに座ったら、もうすぐそこです。
デパートの催事は別として、このTシャツを東京で見られるとは思いませんでしたが、
実は袖に青森県の形をしたマークが、ワンポイントで飾られていたことを初めて知りました。
久しぶりの対面です。立ち上る香りと泡に嬉しくなります。
早速スープを一口飲めば、心は青森に瞬間移動してしまいます。
ここ数年、東京にも煮干しラーメンのお店は増えているのですが、
やっぱり欲していたのはこの味。
徹底的に濃厚な煮干し出汁が遺伝子をくすぐり、
息をするのを忘れてしまうほどにレンゲが止まらず、
ようやく箸を片手に麺を啜れば、これもまた止まりません。
青森の長尾で食べる時には、やっぱり手打ち麺で食べるのですが、
ここで使われている三河屋製麺の麺も、その感じとほぼ同じ。
ポキポキ系の麺が多い東京の煮干しラーメン。
もちろん、そこにも旨さのハーモニーが奏でられているのですが、
やっぱり、自分にとってはムニムニした舌触りに、
チュルチュルした口当たりの麺が奏でるメロディーが、耳に馴染んで落ち着くんです。
ジューシーなチャーシューを頬張って、ネギとメンマと麺を絡ませ、
器の中が段々と少なくなってきたところで、にぼ飯にスープを注ぎます。
他のラーメンスープだと重たいのですが、
煮干し出汁なら味噌汁ご飯と同じ。
サラサラと食べて、にぼラーフルコースの仕上げです。
飲み干した証は、この紋章。
思えば、青森に住んでいたときはいつもこんな感じでした。
店主の長尾さん曰く「こく煮干しのお客さんが多くて、仕込みが大変で…」
ロングラン営業なので、丁寧な仕込みで生まれる一杯にすぐ会える環境は本当に幸せです。
でも、青森の煮干しラーメン文化を普及する活動も手がける長尾さんの、
意気と熱さを感じたお客さんが、一人でも多く青森に足を運んで、
地元の空気と共に美味しさを味わって欲しい。
やっぱりそう思わずにはいられません。