池袋・Spice Garden バターチキンカレーセット(840円)
歩道橋から眺める一軒のインド料理店、
「本場インド人シェフが作るカレーハウス」
「焼き立てナン」
「おいしいお店」
偶然なのか確信犯なのか、ストレートに長所を訴える言葉の並び方には、
海外で売ってる日本語Tシャツのごとく、
もやっとした違和感の中に、一本の太い軸を感じるのです。
日本人によるお店なら、
きっと一番近いのは「日本一旨いラーメン店」。
味覚なんて人それぞれなのに、誰が決めたねん!な感じです。
とはいえ、惹きがあるのも事実。
思惑通りにお店に吸い込まれてしまいました。
テーブル席に腰掛けて、
注文を取りに来るのを待っていたのですが…食券制でした。
10種類以上のカレーセットに迷いつつ、
バターチキンセットのボタンを押して、席に戻ります。
運ばれてきたカレーが視線に入ると、
まるでファミスタのバットのごとき、
巨大なナンに驚かされました。
一口大にちぎって食べれば
パリパリの表面が歯に当たる度に、
モチモチの食感に化けて、
ほんのりした甘さがふわっと包み込みます。
オノマトペが並ぶのは、きっとお店のカラーに無意識に染まって、
言葉遊びがしたかったんでしょう(笑)。
これを鮮やかなバターチキンのソースに絡めると、
ナンはコクとスパイス印のオレンジ色に染まり、
少しずつ姿を消していきます。
食後にはラッシーもついてきて、もうお腹いっぱい。
人は見かけによらないと言いますが、
インド料理店も看板の言葉によらないものです。