銀座・ブランジェ浅野屋 キャラメルドーナツとショコラクランチ(336円)
銀座松屋の地下で見かけたそのドーナツを食べて、まだ上陸前のクリスピークリームの味を思い出したのは、今から約2年前の話。
そんなブランジェ浅野屋のベーカリードーナツは、別メニューであるベーグルドーナツこそ定番メニューとして売られているものの、いつの間にか店頭から姿を消してしまった。
しかし、たまたまブランジェの店頭を眺めていたところ、自分の目に入ったのはキャラメルドーナツの文字とその姿。しかも、隣には新メニューであるショコラクランチ(正直、本気で興奮していたので、これが正式名称かは不安…)も並んでいた。
ということで、あっという間に購入。
直径約8.5センチのキャラメルドーナツを一口食べると、ベーカリードーナツのフワフワと空気感に満ちたした軽めの食感。そして、その生地からはほんのりとした甘みから展開されるコクが広がる。
また、クリスピーのオリジナルグレイズドの生地と比べると、一番違うのは生地のコシ。これがあるので、噛むという行為がしっかりと必要となる。そして、それがパン屋さんが作るドーナツの姿だと思う。
表面にたっぷりとかかったグレイズは、見た目よりもあっさりとした甘さなのがポイント。生地の味が軽い食感でありながら比較的強いため、これでグレイズまで強いとクドい感じになるところを、上手く抑えているのがポイント。上にかけられたシロップも、そのほろ苦さで全体を上手くまとめている。
一方、ショコラクランチは、チョコレートの強さに合わせてか、生地が少し固めになっており、どちらかというとケーキドーナツに近い作りとなっている。
ただ、固さがあるということは、生地を噛むことで広がる甘さの幅が少し広くなり、比較的あっさりと入るキャラメルドーナツに対して、こちらはしっかりと食べるドーナツとなっている。
また、グレイズはこれでもかとたっぷり塗られているのだが、クランチのサクっとした食感が加わることで、食べやすさを持った重厚な味となっている。
自分は、この復活劇には、クリスピークリームの登場によって活気付いている、日本のドーナツ文化の発展が背景にあると勝手ながら思っている。
それは、100円均一になると妙に買い込んでしまう日用品としてのドーナツ、(並ばないと買えないという意味で)贈って喜ばれる贈答品としてのドーナツ、一つ300円近くするもののたまに食べたくなる贅沢品としてのドーナツ、という具合に選択肢が豊富になったことで、シチュエーションによって選択される対象となったこと。そして、それによって「自分の好きなドーナツ」の姿が、一人一人の頭の中に、明確になったことで進んだものである。
そこに「パン屋さんがしっかりと作ったベーカリードーナツ」が再び登場したのだから、この成長期はまだまだ止まらないと思うし、止まらないで欲しい。あとは、自分が上陸を願う「自分が願う上陸して欲しいドーナツ屋さん3本の矢」が上陸したらと思い続けているのだが、実はそれは近い将来の話かもしれない。
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