銀座・岩戸 穴子天ぷら定食(1,000円)と、冷汁定食(950円)
サラメシの取材でお世話になった時以来、久しぶりに岩戸に。
「いらっしゃい!」の笑顔に癒され、
厨房に注文を告げるハスキーな声は変わりません。
この日に注文したのは、穴子天麩羅定食。
香ばしさに包まれたふわふわの穴子は、
サクサクという音と共に目の前から姿を消しますが、
カレーもやしと漬物がそばに居てくれます。
いつもと同じ大満足の食後感で、いつものようにお店を後に。
一つだけ違うのは、帰り際に冷汁が始まる時期を伺ったことです。
それから2週間後、シーズン開幕を確認して、
お店に一目散で向かいました。
これです、これです。
大きな器にたっぷり入った冷汁。
薩摩揚げにも変わらぬ姿で会えました。
青魚とゴマ、そして味噌の美味しさが凝縮されたお汁に、
豆腐や胡瓜、ミョウガに刻み大葉。
具だくさんの汁を熱々のご飯に馴染ませて、
あとはサラサラと食べるだけ。
一気に食べてしまえば暑さを忘れ、
エネルギーが身体に満ち溢れます。
冷汁と言えば、関東の人間にとっては、
宮崎全般で食べられている。
そんなイメージがあります。
しかし、都城のように鹿児島文化圏が強いエリアの場合、
以前は、あまり食べることがなかったようです。
少しずつでも、美味しいものとの接点が増えることで、
地域固有の食文化が、日本全体の物になる。
もちろん、そこに地域らしさがミックスされます。
ネイティブなものが評価されて広がるということは、
つまりそういうことなんだと思います。
そして、21世紀という時代。
食文化との接点として、
料理が生まれた時に宿っていた美味しさを、
しっかりリレーしてくれるお店が欠かせません。
自分も津軽伝承料理の接点を増やすために、
こういった活動をしていますが、
そのためには、岩戸のように丁寧な仕事をするお店と、
巡り会いたいものです。