青森県十和田市・bank towada 出会いと出会う。
出会いは偶然に、でも必然に訪れます。
十和田にあるビルの一角、
日本の佳き工芸品やデザインプロダクトが、
ズラッと並ぶテーブルが出迎えてくれました。
ここは、bank towadaというコミュニティセンター。
人と地域資源が出会うことで、新しい何かが生まれる空間です。
例えば、地域に住む人の生活を、
映像に編集して伝えたり、
例えば、十和田や南部地方に息づく地域資源に、
新たなデザインや使用方法を付加価値として宿したり。
もし、自分が地域資源と呼ばれる物であれば、
一番良きところを伸ばしてくれる。
つまり、良き先生役といったところでしょうか。
今、この施設のスタッフは、支配人の松田さんと
企画・運営マネージャー木村さんの二人。
東京に住む支配人が十和田と東京を行き来して、
木村さんの活動をサポートしています。
元々、木村さんは以前から地域活性化事業に携わってた。
という訳ではありませんでした。
でも、今では特技のイラストをフル活用して、
地域資源をブラッシュアップしています。
ところで、地域活性化という定義なきテーマは、
ミクロの活動を積み重ねることで、
今日に比べて明日の地域が少しでも佳くなることが、
最低限のミッションだと思っています。
例えば、色々な補助事業を使って事業をしても、
翌年度の活動に向けたストックが全く存在しない。
フローの先がない活動というものが、
青森も含めて全国的にも多々見られます。
一方、翌年度に類似の事業を行う場合であっても、
前年度にストックが蓄積されていれば、
新しい物が生まれる可能性は高くなります。
銀行預金で言うと、これが複利を生み出す土台。
bank towadaは、人材や事業ノウハウの土台を育みながら、
事業を通じて地域に利子を還元しています。
そして、これが積み重なることで、再投資の規模が大きくなる。
10年続けば資産はすごいことになります。
考えてみれば、事業というのはそれが当たり前なのですが、
不思議なことに地域活性化事業は、
アクションの尊さだけで内容が判断されることがあり、
結果がでなくても「良くやった」の言葉で、
終了してしまうものもあります。
でも、結果が生まれる「良くやった」が増えることで、
事業に携わった人は、レベルアップしていきます。
そのためには、結果に対して真摯に向きあうことも必要です。
経験談でもあるのですが、
失敗を失敗と認める勇気も時には必要です。
bank towadaという存在は、
資源にも土台にも現実にも真摯に向き合える、
強さを持った有機体。
いわゆるハコモノとは全然違うからこそ、
今日も資源や人がここに集まり続けます。