新橋・Bois Vert 第1回「大鰐町の特選素材を楽しむ会」 後編

03/09/2007東京,新橋/汐留,よるどき

 旨いランチと地元食フリークの皆様、ひるどきでございます!!!!!!
 ところで…現在のひるどきは何位になっているでしょうか?
 ※この記事の前編はこちらです。
・銀鱈のロースト お好み焼きスタイル
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 真鱈と言えば、青森県が誇る郷土料理・じゃっぱ汁には欠かせない魚であるが、こちらは鱈は鱈でも銀鱈。これに合わせるのは、大鰐しいたけ。鰹節のふわっと香る芳ばしさに乗って、銀鱈のグラマラスな脂がぶわっと広がる。どちらかというと、身や皮はムニュっと柔らかいので、しいたけの弾力が効果的。


・マグロのタルタル・ガスパチョソース
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 キャベツに包まれたマグロと、大鰐トマトとキュウリのガスパチョソースの相性は、瑞々しさが駆け抜ける中に、トマトの酸味やキュウリの香りが舌に心地よく残る。そして、この後味の感覚とキャベツやマグロによる複雑に絡み合う味。この組み合わせがたまらない。
・サーモンマリネとユダヤピクルス
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 グシュグシュとした歯ざわりのジューシーなピクルスの塩味を、サーモンマリネの脂身より強いエキスがしっかりと包んでいるのだが、それもそのはず。このサーモンマリネは、海峡サーモンという津軽海峡の荒波にもまれた、いわばグッドシェイプなサーモン。筋肉質であっさりとした脂が特長的。
・シーザースサラダ
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 大鰐シャモロックを贅沢にソーセージにしたものがゴロンゴロンと。大鰐トマトの濃厚な味とソーセージの笑ってしまうほど鶏肉だということを感じさせない味を、チーズがグルグル巻きにしているといった具合。サラダは「さっぱりと」ではなく、サラダも「しっかりと」といった感じ。
・オマール海老の天麩羅 大鰐キャロットソース
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 大皿に大胆に盛られたこのオマール海老。その上にたっぷりと注がれている、というより盛られているのが大鰐キャロットをふんだんに使ったソース。
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 海老は天麩羅に、他にもムール貝や大鰐産のオクラがソースに隠れていたのだが、とにかくソースが旨い!甘い!はっきり言って、オマール海老がどうでもよくなってしまったぐらいに、このソースが旨かった。
 で、このソースとの相性がよかったのが、大鰐産のオクラ。大ぶりでヌメっとした食感から、豊かな甘さとホワっと膨らむコク。これにキャロットソースが絡むと、「野菜っていいねぇ…」心から思える味に。
・大鰐産「青森シャモロック」の丸焼き
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 大皿料理の2品目は、このシャモロックの丸焼き。このお店の定番であるローストの上に、あんかけソースを合わせた一品。
 パリパリに香ばしく焼かれた皮、引き締まった肉質。そして、かみ締めるとじゅわっと広がる、クセのない肉汁。あんかけソースの塩味が、これを十二分に引き出している。
・「温泉もやし」と「そばもやし」
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 ここで、ちょっと作ってもらったのが、温泉もやしとそばもやしをサッと茹でたもの。ポン酢で食べるとその味の違いが如実に表れる。
 もちろん、どちらも濃い味なのだが、特に前者からはある種の土臭さのような力強さを、後者からは丁寧に作られたという繊細さを感じる。一口にもやしと言っても、絶対的に違いのある味は、食べ比べてこそのもの。
・大鰐焼きそば
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 最後は、大鰐町の製麺所・藤田製麺の麺を使った焼きそば。甘辛のソースがこれでもかと絡んで、野菜のシャキシャキ感とムチムチした麺の組み合わせが、これぞ焼きそばといったノスタルジーな印象を受けた。
 大鰐に限ったことではないのだが、地方には色々と素敵な食材がまだまだ眠っている。しかし、地方の町というのは、財政難やら人口流出といった、一種のネガティブキャンペーンが展開されてしまうと、そのことばかりが頭に残ってしまう。
 でも、それで町全体の活力や食材の力が、イメージ先行によって失われてしまうことは、日本全体の損失に過ぎない。
 消費者にとって、その町というのが偏見の対象で終わるか、それとも新しい発見となるか。
 やっぱり、未知なる食材は、一度食べてみないと判らないものばかりであり、こういったイベントは自治体主導のシティセールスの一環として、積極的に開催されるべきだと思う。そうすれば、誰もにとって新しい発見になるのだから。
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著者プロフィール

takapu

ごはんフォトグラファー/Local-Fooddesign代表
食にまつわる各種コンテンツ制作(フォトグラファー、エディター、フードライター、インタビュー)、商品開発・リニューアル提案、PRツール・ロゴ制作などを手掛けます。
創業75年以上の老舗食堂を紹介するウェブサイト百年食堂の制作・運営もしています。
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Posted by takapu