青森駅を出て目の前にあるのが、街のメインストリート・新町通り。この通りをまっすぐ進んでカシス羊羹のお店を右折すると、カラフルなパンとケーキの文字が飛び込んでくる。
パンとケーキ、パンとケーキ。推しをリフレインするファサードが目印の栄作堂本店。この佇まいを見て気にならない訳がない。

まさに日本のブーランジェリー。お菓子パンも惣菜パンもケーキも小さなお店に詰まった棚の中には、とにかく何でも揃っている。そんなお店が開店したのは、なんと昭和6年のこと。今はさくら野百貨店がある場所で産声をあげたこのお店、70年以上も青森市民の胃袋を満たしてきたのである。

文化財保護法あたりで守りたくなるそんなお店で購入したのは、グラタンが入ったパン、食パンにアンコを挟んで揚げたパン、そして、謎のモンブランパン。

もう、見ているだけで愛おしくなる。どこか懐かしいのに新鮮だったり、食欲をそそる香りだったり。

グラタンの食べ応えを、ポットの役割をしているパンがしっかり受け止めて

あんこの上品な甘さを、揚げた生地がボリューム感で押し出して…

ガブっと頬張ると、クリームがあふれ出してきて…あぁ、何度でも食べたくなる。

しかも、結構遅い時間までやっているのが嬉しいところ。ということで…買いにいかねば。と言いたいところですが、残念ながら2017年8月31日に閉店。この味に会えなくなってしまったのは残念です。
