
年末、道の端に積まれた雪を横目に、車を走らせて向かったのは黒石市。
今年のB-1グランプリに颯爽と登場し、誰しもが想像もつかない味・つゆやきそばが生まれた地には、まだまだ多くの黒石やきそばを提供しているお店があり、未食の店舗は数知れず。
そうなれば楽しみたくなるのは食べ歩き。ということで店頭から上手く口で説明できないような「ウチの店、旨いでござる」オーラを発するこのお店へ。

このお店の黒石やきそばの特長は、麺の種類。黒石やきそばのスタンダードである太平麺だけではなく、細麺を使ったやきそばも提供している。ということで、レジカウンターに置かれた2種類の焼きそばを、店内でいただくことに。

見慣れた姿のスタンダード・太平麺を使った黒石やきそばには、もやし、キャベツ、そしてチャーシュー。
このお店のラーメンやチャーハンに使われる具やダシがしっかり絡んだ味は、他の黒石やきそばと違って、ソースの酸味が主の味ではなく、ダシの味が染み込んだ麺にソースの味が上手く絡んだ、まさにラーメンの「スープ+タレ」のような味に仕上がっている。

で、もう一方の細麺を食べると、更に独自の黒石やきそば感が垣間見える。滑らかな麺の舌ざわりと野菜のシャキシャキとした食感の組み合わせは、太平麺のように強い麺の存在感の中に具が入るよりも、ミックスでこそ生まれる食べ心地が楽しめる。
食べ比べをする中では、スタンダードな太平麺を使ってない味も打ち出しているお店というのは、かなり重宝する。太平麺のスタンダードも重要。でも、もっと重要なのはやきそばを食べていたという長年に渡って地元に根付いた食文化。だから、こういったお店が自分は好きなのだ。

ちなみに、このお店の目の前は黒石商業高校。ということで、学生さんには至れり尽くせりとなっている。あぁ、うらやましい…