出張で青森に行ったからには、一度は煮干しラーメンを補給したくなるもの。
その一方で名店、新店、人気店と数多ある店から「ここに行こう!」を決めるのは難しいところ。でも考えてみると、定期的に足が向くのはやっぱり長尾なんです。
平日の昼休み前でも店内は大賑わい。満席スレスレの中でカウンター席に空席を発見。腰を落ち着けたら、あっさり系か濃厚系かを迷うのが幸せなひととき。
そこにデカ盛りもよし花びらのトッピングを組み合わせるもよし。まるで「肉色に染まれ!」的なこういう変化を絶え間なく、まるでジャブのように繰り出し続けるのが、自分の中にある長尾らしさ。
ただ、やっぱり久しぶりの煮干し。メニューの裏面にある裏メニューには、五つ星の煮干しがキラリと目を惹く『ごぐにぼ』。まったくもって、この気分でした。
見るからにワシワシした麺を茹であげるまでには、しばし時間がかかるのですが、それまでは厨房から仄かに流れてくる煮干しの香りを浴びれば、それでいいんです。
出てきました!そうそう、これです!!
ひと目でわかる、漆黒ならぬ茶色い漆コクスープのトロトロ加減。極太麺のツルツルムチムチとした麺じゃないと、この濃厚な味は受け止められません。
でもですね、どうしても煮干しラーメンを食べるときには最初にスープを飲んで、それが数口止まらない。だから、麺が器の中に浮かび上がってきちゃうんです。
それでも飲み続ける。店内の明かりを微かに反射した、銀色に輝くスープの断片がスープに入った煮干しの量を教えてくれる。
薄いチャーシューで麺をまとめてすすり頬張ったり、メンマのくみくみに麺をあわせたり。でも、ゴールは一つ。丼の底が見えるまで完飲すること。
食後はやっぱり汗を拭う。勢いよく啜って飲み干したくなるからこその醍醐味は、長尾の醍醐味と言い換えていいんでしょう。