夜の青森、お酒の締めに向かったのは真紅の看板が煌々と輝くこのお店。
そんな、地元でも有名なこのお店の名物は、「からし麺」。この未知なるアイテムに到達する前に、からし麺と一緒に注文した餃子をほおばる。
モチモチした皮、その膨らみから伺えるアンの詰まり具合が、食欲をそそるこの餃子。熱々ジューシーの後に広がるのは、たっぷりの旨み。そして、主役のからし麺が、「あぁ、来たなぁ…」という香りと共に運ばれてきた。
…赤い。でもって、ニラの緑が濃い。湯気が顔に当たると、熱い以外の第三者がぶつかってくる感覚になる。そんな、まだ未ぬ辛さに恐怖心を持ちながら、スープをごくり…の前に、口の中で味わってみる。
軽いトロミから入るこのスープ、辛さが徹底的に抜けないような味かと思ったら、意外にも爽快感のある辛さ。そして、単に辛さしか印象に残らないのではなく、ダシの旨みと辛さがしっかりと一体になった味。
そんな、いい意味で裏切ってくれるスープに入った、ひき肉のコクやネギ代わりのニラの青い味がしっかり絡んだ麺。
オーソドックスな中太麺は、つるつると止まることなく身体へと入っていく。食べてすぐに汗がでるのではなく、食べて3~4分程度でじわっと出始めるので、食べるのに手こずることもなく、食べ終わるころに汗がピークになるのが、食べ手にやさしいところ。
そして、このお店の隠れた名物が天津丼。
少し甘めの透明な餡がかかったこの一杯、辛さの後に口にしたからではなく、単純に旨さに驚いてしまう。
言うなれば赤と白がウリのこのお店。自分はあまり、中華料理店に通うことはないのだが、もしかすると…もしかするかもしれない。