田原町・龍圓 自称「料理マニア」のご主人が作る中華料理

17/02/2007東京,文京区/台東区,よるどき

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 先日、カキタベ!の新年会として向かったのがこのお店。ということで、本来の目的である牡蠣メニューについては、カキタベ!に任せるとして、ここでは3品目以降に食べたすごい料理について紹介することに。


・オレンジ白菜の煮付け
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 このお店では、三浦半島から直送された野菜を使っている。そして、三浦半島の隠し玉とも呼べる食材が、このオレンジ白菜。これをえらく旨いスープで煮込んで、その上に手作りのXO醤を乗せて食べる。
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 とにかく白菜が甘い!そして、甘みと一緒に広がるのがスープの旨み。少し固さを持ったXO醤がアクセントとして活きているのはもちろんのこと、このXO醤自体がエビや蟹といった素材の良さを、噛むごとに感じさせるというところに、「贅沢な味」という言葉が思い浮かぶ。
・アワビと椎茸の炒め物
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 椎茸?アワビ?という具合に、どちらが主役でもいい一品なのだが、きゅっと締まった椎茸を噛むと、じわっと膨らむ旨みがあり、その上に薄切りのアワビが持つ、ぷるぷるの弾力から溢れるじゅわ~っというエキスが絡む。タケノコのコリコリとした食感が加わることで、料理全体の幅とまとまりが膨らむ。
・蕪、ネギ、豚肉のあんかけを絡めた炒め物
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 「いい蕪といい九条ネギが入ったので」ということで作ってもらった一品。野菜の甘みがぎゅっと詰まっており、噛むほどに広がるのは、あんかけタップリな見た目と違って、さっぱりと食べやすい甘さと味わい。豚肉の旨みが適度に効いていることもあって、手元に白ごはんが欲しかった一品は実はこれ。この味を更に広がるために、
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 手作りの柚子胡椒を乗せて食べる。このお店の主人、醤油やお酒といった醸造系のもの以外、自分で作らないと気がすまないという、自称「料理マニア」。鮮烈な辛さの中に感じる爽快感は、申し分なし。これだけ買って帰りたいぐらいの味だった。
・イタリアン酢豚
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 普通の酢豚と違って、目に鮮やかな生トマトの赤いソースが視線を釘付けにする。
 この皿におけるトマトの酸味とお酢との組み合わせは、中華の領域ではなく、名前どおりにイタリアンの領域に近い味わい。料理マニアの店主曰く、「上に盛られた、皮の生地を細くして揚げたものだけに、中華らしさが残っている(笑)」とのこと。でも、このような革新的な皿を確信的に作る技術、さすが料理マニアという部分が前面に出ている。
・冷し担々麺
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 実はこれ、夏季限定メニューなのだが、予約する際にどうしてもということで、作ってもらったもの。2人前の量が大きな器に入って運ばれてくる姿は圧倒的。
 冷たい担々麺にありがちなのが、脂が固まってしまうことで不快感に近いものを感じることなのだが、この担々麺にはそんなもの皆無。最初にしゅっと広がる鮮烈な辛さと、ゴマの濃厚なコクが一体になったその味は旨いの一言。一番驚きだったのが、XO醤のエキスがスープに使われていることで、肉々らしさに甲殻類独特の味わいを加えている。
 その肉々らしさを出しているひき肉、しっかりと味が乗っているのがいい。肉は飾りとなっているケースも担々麺にはある中、これはしっかりとした味わいを出している。また、麺も細めながら非常にしっかりとしたハリとコシ。スープの強さに対して麺がしっかりと主張した作りとなっている。
 個人的には、今まで食べた冷たい担々麺の中で文句なしの一番。その完成度は郡を抜いている。
・チャーハン
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 実は、予約の際にこちらのカキタベ!顧問から「ハムユイチャーハン、よろしく」という使命を受けていたのだが、残念ながらハムユイの入荷が間に合わないということで、普通のチャーハンを注文。
 我が地元・相模原のタマゴが、しっとりと一粒一粒に絡まったその味は、ノスタルジックな見た目とはうって変わって、本能が訴える「チャーハンが食べたい!」というときに食べたい味。チャーシューとの相性もよく、シンプルだから難しい理論を再確認。上湯スープもグビグビいけるのに、心にしっかり残る味わい。
・杏仁豆腐
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 デザートは杏仁豆腐とマンゴープリン。元々は杏仁だけにする予定だったのだが、料理マニアなご主人が「ウチのマンゴープリンは、エバミルクをかけてあるんじゃなくて、ココナッツのアイスを乗せてるんだよ」という、そそる情報を教えてくれたので、早速注文。
・マンゴープリン
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 エバミルクだと、クセが強すぎて肝心なマンゴープリンの味が飛んでしまうのに対して、この組み合わせはマンゴープリンのずっしりとした甘さに、あっさりとしたコクを持つココナッツの甘みが、互いを補う組み合わせとなっている。弾力や舌触りも十二分で、心地よさも十二分。
 という、壮大な料理を作ってくださったご主人はこちら。
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 調理をする際に「これをこれを組み合わせると、こういう味になる」という具合に、実は理詰めで調理をされるタイプの方。でも、完成した一品一品が理屈抜きに旨いお店。
 また、お客さんから「こんな料理が食べたい」というリクエストを、予約時に受けると非常に燃えるとのことなので、飛び込みで行くよりも、綿密に打ち合わせをして足を運ぶと満足度が高まるはず。
 その意味で要予約なのと同時に、客がしっかりとビジョンを持って訪問することで、「料理マニア」
生み出す世界を、十二分に楽しむことができる。
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著者プロフィール

takapu

ごはんフォトグラファー/Local-Fooddesign代表
食にまつわる各種コンテンツ制作(フォトグラファー、エディター、フードライター、インタビュー)、商品開発・リニューアル提案、PRツール・ロゴ制作などを手掛けます。
創業75年以上の老舗食堂を紹介するウェブサイト百年食堂の制作・運営もしています。
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Posted by takapu