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神楽坂・2丁目食堂トレド トルコライスの夜

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2丁目食堂トレド-01
ある日曜の夜、飯田橋界隈で夕食のお店を探してました。
ただ、飲食店は閉店時間を迎える頃。
開いてるお店は居酒屋さんばかりで、
がっつり食べたい気分とはミスマッチ気味。
そんなときに見つけたのが、このお店。
店頭にズラッと並んだ手書きのメニュー、
緑色のファサードに描かれた「二丁目食堂」の文字。
もう、ここに決まりです。
ただ、外から後片付けの様子が伺える
店内に入れるかが問題でした。
「まだ…よろしいでしょうか?」
「あぁ、いいですよ。どうぞどうぞ。」
日曜日のこの時間に、二人客が来るのは珍しいようで、
カウンター席に腰掛けることができました。
どうやら話好きで野球好きのご主人。東京ドームの帰りだという会話から、
昔、後楽園球場で王貞治の800号ホームランを撮り損ねたとか、
神宮球場のすり鉢状ゆえの開放感、
がんばれタブチくんでの広岡監督やヤスダの話などなど、
昭和系の野球談義に花が咲いたものです。
もちろん、その間も料理のスタンバイは進みます。
一旦冷めた揚げ油を温め直す間、
フライパンがパチパチと音を発し、お皿やキャベツが整う。
カツが油に投入されると心地いい高音が奏でられ、
カレーの香りが立ち上る。
「名物」と誉れ高き継ぎ足しカレーの単品と迷ったのですが、
トルコライスを注文しました。


2丁目食堂トレド-02
トルコライスは、定義や発祥に諸説ある食べ物ですが、
ここのはカレーに、チキンカツ、そしてナポリタンのトライアングル。
ちなみに、花巻のマルカンデパートでナポリカツは経験済みですが、
トルコライスは初めてです。
まずはカレーから一口食べると、
ソースのコクとじんわり響くスパイスの活力。
でも、刺激押し系ではなく濃厚旨み系のカレー。
このバランスこそが食堂カレーの正義。
初代継ぎ足しカレーの歴史は
一度2009年に40年の歴史が途絶えたそうですが、
2011年4月から再びスタートしたカレーでも、
寝かしの美学がぎっしり詰まった味でした。
お次はチキンカツ、上にはケチャップが注がれています。
揚げたて大ぶりをほお張れば、軽快な音と共に肉汁が溢れ出す。
もちろん、カレーソースを絡めて食べれば、新しい美味しさが生まれます。
これが、トルコライスの醍醐味なんでしょうね。
そこに炒め系のナポリタン。
シャキシャキの野菜とムチムチのスパゲッティが、
ケチャップソースをしっかり纏い、
くるっとフォークで回して食べれば、
直球ストライクの味が口に収まります。
あとは、口の中に蓄積された洋食舌が味を膨らませるばかり。
いわば洋食オールスターズたるトルコライスは、
子供にとってのお子様ランチなんでしょう。
野球も球団ごとのカラーという伝統を重んじるものですが、
食堂も伝統を重んじるもの。
例えば、カウンターの椅子は40年前から使われているものがリペアされたもの。
カウンターとの絶妙なバランスこそが居心地の良さに。
若い世代がそんな味や居心地を経験し、後世に伝わって時代ごとのベストが残る。
食堂とは世代の交差点なんだと改めて感じた夜でした。

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takapu

ローカルフードデザイナー/伝承料理研究家 食や旅をテーマにした商品開発や既成品リノベーションを始め、コンテンツ企画、取材・執筆・撮影、PRツール制作、漫画原作、講演、事業所の強みづくりコンサルティングを手がけています。 詳しいプロフィールはお仕事に関するお問い合わせは、下のリンクからお願いいたします。

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