【みたか食堂/福島県郡山市】寒空の身体に沁みる、野菜たっぷり「味噌たんめん」と、きめ細やか餡の「餃子」

地元の方いわく「いやぁ、一気に降り積もって来ましたね」と、季節外れの大雪が夜空を舞う12月の郡山。寒空の交差点で信号待ちをする時間、キンキンに冷えた空気がスマホを動かす手の動きをぎこちなくします。
郡山駅西口から旧市場通りの先に歩くこと10分ほど、通り沿いに見えた看板に灯る、みそラーメンと餃子の文字。そして、店構えをキリッと引き締めるみたか食堂の暖簾。その先では店内を温める大きなストーブと、おかみさんの「いらっしゃい」の言葉が、温かく出迎えてくれます。

壁に貼られたメニューを見れば、やっぱり主役は味噌の麺類。カレーライスやカツ丼、定食もあるものの看板メニューの味噌たんめんと餃子を注文します。

よく、カウンター席は特等席と言いますが、ここまでしっくり来るお店は少ないかも。
中華鍋を振るって野菜を炒め、大きなザルで麺の湯切りをするご主人の姿。その傍らでお皿を準備をしたりと、テキパキとサポートするおかみさん。ガラス越しに見えた夫唱婦随の動きに目を奪われます。

「おまたせしました」の5秒前、厨房とテーブルを隔てる暖簾越しに見えた器のサイズに、ただただ驚くしかありませんでした。四人がけのテーブル席が小さく感じる味噌タンメンと餃子の姿は威風堂々。

もやしよし!豚バラよし!キャベツよし!ニラよし!にんじんよし!
たっぷりの炒め野菜を頬張ると、期待以上のシャキシャキ感。豚汁のようにさっぱりした野菜の甘みと豚のコクが溶け込むスープ。だからこそ甘めな味噌の存在感が、口の中で堂々と。

もっちり中太麺をすすりながら野菜を頬張る。この感じで空腹を満たしたかった!

傍らの餃子は、半透明の羽がちょっとかわいい。もちもち生地の中に包まるのはきめ細やかなキャベツや豚肉の餡。何より食感の対比が面白い。なんというか、もふもふ…という感じ。初めての食感。だから一口ごとに驚きとおいしさが組み合わさっていく。
熱々の醍醐味を啜って頬張るうちに、思わず「ぷはぁ!」と声が出るのは、夢中で食べていた証拠。いつの間にか器の中にはスープが残るのみ。無数の細かい大豆をレンゲで掬って噛み締めながら、ごちそうさま。

お会計のときに女将さんに「なんで、こんなにおいしいんですか!?」と尋ねると、「味噌はウチで作ってるんですよ」と謎解きの一言いただきました。だからあたたかな味で、だからお店を出るときに後ろ髪を惹かれるんだと。
寒い冬の夜に出会った、この上なく優しい味噌タンメンの味。「ありがとうございました」と女将さんの優しい顔とともに忘れられないものになりました。