実は誕生日ということで、ランチとして真っ先に浮かんだのがこのお店。2階の窓際席に案内され、メニューを見ることなくカキフライをライスと共に注文。
大きさ約9センチのカキフライが6粒。牡蠣は宮城の松島産を使用しているとのこと。
ナイフで二等分して口に運ぶと、サクサクと粗めのパン粉から強く軽快な音が響き、牡蠣のエキスがまさにあふれ出してくる。生食用ではなく加熱用を使っているのに、感覚とすると生食用に近い味。ただ、強い磯臭さはないので、ジューシーな分だけそう感じさせるのだろう。
また、衣と牡蠣がぎっちり詰まっているのではなく、少しだけ空間ができており、ここにエキスが滞留することになるので、二等分するとじわっとあふれ出してくる。ナイフを強く動かすと衣が牡蠣から剥がれてしまうので、やさしく扱うことが必須。
黄身の色が活きたタルタルソースをつけて頬張れば、ソースの甘みとカキ特有の風味の両方がしっかり融和。十二分の満足感が満たす。
付け合せのポテトサラダも、シャクシャクとした瑞々しい細胞による口当たりから、自然でありのままの甘さと濃さを口に残してくれる。
近くの三州屋のカキフライが、ワイワイと賑わいの中で食べるのにふさわしい、どちらかと言えば銀座的じゃない味とすれば、このお店は銀座らしいカキフライの姿と味。でも、どちらも旨い。やはり、ハシゴという選択肢もありかもしれない…