早いもので、今年もクリスマスイブ。
色々な制作物の年末進行の中に身を置くと、カレンダー感すら失ってしまいがちですが、
クリスマスだけは街の雰囲気が教えてくれる。そんな感じです。
例えば、ケーキ屋さんを訪れれば、クリスマスケーキのサンプルが棚を賑わせ、
生クリームタイプにしようか、あるいはチョコレートタイプにしようか。
食卓の賑わいを想像しながら迷ったり。
ということで、自分的な今年のクリスマスイブのお供は、都営三田線の蓮根駅と西台駅の真ん中に位置するArakiというお店のケーキ。
中沢乳業でのシェフパティシエの経験や、スイーツアドバイザーとして数多くの商品開発に携わった実績が、店内のガラスケース越しに輝いています。
で、数日前に食べたのが、このチーズケーキとティラミス。
複数のチーズの層が口の中で少しずつ開いていき、なめらかに混ざり合う中で、前触れなしに鮮烈に広がるのが、表面にちりばめられたグラナパダーノの芳ばしい香りとコク。
単に「濃厚でコクがある」で終わるのではなく、時間を経てケーキへの印象が変化する。
一口の中で二転三転する展開に驚きを覚えました。
そして、クリスマスイブ。今日のお供はこの箱の中に。
中身はザッハトルテ。ガナッシュクリームとアプリコットのコンフィチュール、そしてビスキュイショコラという王道の組み合わせ。
フォークを入れただけでときめくほどの、厚みあるチョコレートクリーム。
口溶けと同時に濃厚な甘く優しいチョコレートのコクを、アプリコットの瑞々しさがキリッと引き締めます。
あとはビスキュイショコラと混ざり合う時間を楽しむだけ。あせらずゆっくりと堪能します。
クリスマスケーキが一年のケーキの食べ納めとするならば、これは大トリにふさわしい極上の味。
自分自身に大きな変化があった2015年の記憶を、甘さで彩ってくれました。