伊勢を一拍二日で巡っていると甘味との接点が多いもの。
中でも赤福本店で食べる赤福が定番系の至福とすれば、赤福氷を食べることは伊勢の地でオアシスの湧き水を飲むようなものでしょうか。ただ、本店に入る隙がなかったので、 少し歩いて五十鈴川店を訪れました。
堆く盛られた氷に注がれた抹茶シロップ、少しずつ山を崩しながら冷たい抹茶を味わえば、
中から大きな赤福がゴロン。まるで琥珀のように発掘された瞬間に、心の中で叫んでしまいます。
室温に馴染んだ赤福の餡と違い、キンキンに冷やされた餡の美味しさは、少しずつ温度変化する変化を楽しむといったもの。
何度か食べ覚えのあるものが、ちょっと姿を変えるとプレミアムな存在に。経験と美味しさを両方食べられる喜びは、老舗の一品ならではのこと。
もちろん、食べ終えて頭が痛くなるなんてこともなく、参拝客の頭をキンキンにするのではなく、全身をクールダウンさせるの氷の質も、さすが赤福といった感じです。
一方、おはらい町の赤福本店から内宮方面に少し歩いて、小さな間口を抜けた先には
二つの趣ある建物からなる五十鈴川カフェが姿を現します。
川沿いのロケーションにピッタリの空間がそこにあり、あとは特等席が確保できるかだけがポイントです。
店内に入って注文したのは、コーヒーとシュークリームのセット。
これで550円。優しいお値段ですが、パリパリのシュー皮の中に詰まったカスタードクリームが、身体を更に優しく包んでくれます。
五十鈴川の静かな流れを見下ろす特等席には、優雅で贅沢な時間が流れ、対岸に咲く桜の姿を想像しながら、次にお伊勢さんになることが待ち遠しくなります。