3月もラストスパートを迎えつつあったある日の晩、この日は大切な友人と、大山で会食でした。
一次会で驚きの七輪焼きを堪能した後二次会の店に行こうとした道すがら、以前から行きたかった鏑屋の店内をチラっと覗いたところ、奇跡的に空席を発見したのです。
「おそらく、我々のことを待っていたんだろう。」と、都合よく考えたのは、最初のお店で飲みすぎたからですが(笑)、この千載一遇の機会に店内に入ってみることに。
全てのカウンター席やテーブル席は、笑顔と楽しげな声で埋め尽くされていました。やっぱり、賑やかなお店の空気はいいものです。
おなかの塩梅を考えながら、壁に貼られたメニューを吟味してまずは、マグロの中落ちから箸を伸ばすことにしました。海苔の上にたっぷりのマグロを乗せて、くるっと巻いたらお醤油をちょこんと。
暖簾をくぐる前は、肉系が強い印象を持っていたのですが、魚もすこぶる旨いです。
そして、名物のもつ煮がテーブルにやってきました。
おそらく、1000口食べても臭みに当たらないぐらいに、
モツを丁寧に扱った仕事が伺えます。
旨みがおつゆに広がり、
おつゆをまとった豆腐に旨みが染み渡る。
小さな鍋ながらも、
スケールの大きな喜びが詰まってます。
そして、もつ焼き。
不思議なものです、
前のお店でもすこぶる旨い焼肉を食べたのですが、
店が変われば別腹になってしまうものです。
そして、「これは食べたほうがいい」と言われた、
とうもろこしの掻き揚げ。
一口食べて浮かんだのは、
桜が満開に咲き誇る弘前公園。
さくらまつりの時期に立ち並ぶ露店に、
嶽きみの天ぷらがあるのです。
さくさくの衣と、プチプチはじける甘さ。
これは癖になります。
自分が住んでいる街には、
この店のように賑やかで大きめのお店がないのですが、
街の笑顔は、こういったお店から生まれるものだと思います。
あー、やっぱりこういった溜まり場が欲しいのです。