東池袋・UCHOUTEN 至福のディナーAセット
ある日の夜、
東池袋の駅から少し歩いて訪れたのは、
一軒の洋食店。
店内は、昭和の洋食屋さんスタイル。
厨房に見えるフライパンの数々や大きな鍋に、
味を期待してしまうものです。
メニューを見ると、ハンバーグやメンチカツなど
どれも食べたくなるものばかり。
でも、洋食屋さんで迷うのは楽しみの一つ。
この時間がたまらないのです。
結局、この日は前菜とメインそしてドリンクで構成される、
ディナーAセットを、ポークソテーをメインに据えて注文しました。
前菜に選んだのは、黒毛和牛の小さなメンチカツ。
揚げたてサクサクの衣をナイフで割ると、
閉じこめられていたお肉の香りが、
一気に広がります。
ジューシーなエキス、そして甘い脂。
ソース不要のシンプルな美味しさ。
小さなメンチカツはすぐに姿を消してしまいました。
次の一皿への期待が高まります。
メインのポークソテー、この分厚さ。
以前、青森の「あんちゃん」という洋食屋さんで食べた、
ポークソテーの雄姿を思い出します。
一口頬張れば、笑うしかありません。
赤身の旨みや脂身の甘さが、
ほのかにニンニク香る甘辛ソースと絡んだ味は、
ごはんに合う日本的洋食の真骨頂。
大満足を上回る満足感に、笑顔と口の動きは止まらず、
つけ合わせのポテトグラタンの美味しさも相まって、
アツアツのうちに食べきってしまいました。
この美味しさにまた会いたい、すぐ会いたい。
気持ちは止まらず、一週間後再びお店に向かいました。
この日も注文したのは、ディナーAセット。
前菜に選んだのは、シーフードクリームコロッケ。
サクサクの衣をナイフで割ると、
今度はベシャメルに包まれた蟹の香り。
クリームの美味しさに驚くしかありません。
自家製のタルタルソースだけでも、
おつまみになってしまう美味しさ。
前菜による最高のプロローグが、
気分を高めてくれます。
そして、メインはポークジンジャー。
グシュグシュと噛む音が楽しく、
生姜がしっかり効いたソースと、
肉の旨みが絡む味がたまりません。
記憶に残る味を変に神格化してしまうと、
「いやぁ、まだちょっと間を置きたいなぁ…」と、
もったいない精神が働くせいか、
自分の中で通うペースを落としてしまうことがあります。
でも、ここは通い詰めてこそのお店。
行ってなんぼの至福の味です。