岩手県釜石市・キッチンコリンズ 逞しき街のガソリンは、ほとばしる肉汁です。

地域の外で感じるイメージよりも、
釜石の地にはお肉メインの飲食店が多く、
例えば駅のほど近く、肉屋の二階にある食堂では、
分厚いカツが乗ったカレーが、
名物になっています。
釜石駅から少し歩いた場所にある、
仮設の釜石はまゆり飲食店街。
その一角にあるのがキッチンコリンズというお店。
地元の方にご案内いただいたお店の由来は、
前のオーナーさんが由来なんだとか。
貼り紙メニューが気になるのはもちろんですが、
グランドメニューがいい感じなんです。
肉系の定食からピラフにカレーに、
正体が気になるコリンズスパゲティなるものまで。
ということで、訪れた4人でメニュードラフトを開催し、
貼り紙メニューとグランドメニューで
一夜限りのドリームチームを結成しました。
突き出しの切り干し大根と塩辛をつまみに、
生ビールを飲みながら肉料理の登場を待ちます。
まずは、ソーセージの盛り合わせ。
ピリッと唐辛子が効いたものまで、
皮に包まれた肉汁が勢い良く飛び出してきます。
次に、豚肉の味噌ダレ焼き。
千切りキャベツと一緒に食べれば、
タレとエキスの旨さの瑞々しさは倍層。
ご飯が恋しくなりつつ、ビールは進みます。
そして、サーロインステーキを注文。
合わせるソースはご当地ソースならぬご店舗ソースな、
コリンズ風ガーリックソースで決まり。
北米大陸のような姿のサーロインステーキ、
東海岸から西海岸までキレイな焼き色で染まり、
脂身は差し詰め国境線のようです。
付け合わせのスパゲティもそうですが、
洋食屋さんのステーキには独特の雰囲気があるものです。
断面から溢れる肉汁と脂の甘さ。
ガーリックソースの香りが、
一口の満足感を高めてくれます。
仕上げはカツサンド。
教科書のように整った切り口から溢れる豚肉の旨味と、
ソースのコンビネーションを、
パンと千切りキャベツの絨毯が受け止めます。
鉄の男に海の男。
身体が資本の逞しき男達を支えるエネルギー源は、
こんな感じのお肉料理。
日々復興に向けて歩みを進める街のガソリンは、
色々な肉汁なのかもしれません。