青森・青森焼きそば界の両横綱、「鈴木焼きそば」と「後藤焼きそば店」を食べ歩く。 ~後編~
旨いランチと郷土食フリークの皆様、ひるどきでございます!!!!!!
さて、現在のひるどき、順位はいかほどに?
※前編はこちらです。
堤川を渡り、降り積もった雪が氷と化すように踏みしめられた道を歩くこと数分。交差点の先に見えたのは青森やきそば界のもう一店の横綱、後藤焼きそば店。
暖簾に描かれた「太」の字が、横綱の味との出会いに対する期待をこれでもかと煽ってくれる。写真を撮り、店内に入ろうとしたところ、ガラス戸越しに見えたのは、ありったけの席を使っての賑わい、そして焼きそばを啜る姿。音が聞こえなくても、お店の雰囲気は一目で判る。
ようやく空席ができて店内に入ると、ガラス越しに見ていた眺めが目の前に広がる。
そして、目に入ったのは鈴木焼きそばと同じく、潔いラインナップのメニュー。ただし、このお店には少しアレンジがほどこされた名物焼きそばがあるということで、写真の下にちらっと見切れているその一品を注文。奥の厨房では、全身を使い細い腕をしならせるかのように、焼きそばを作り上げる姿が。
焼きそばが出来上がるまでにも、お客さんは次から次へと空席がないかどうか、ガラス戸越しにチラっと視線を投げかける。そして、それを受け止める側は、マンガ雑誌やスポーツ新聞を読みながら、焼きそばができあがるのを待つ。
そんな不思議な緊張感が流れる中で待つこと約10分、ようやく注文した焼きそばが出来上がり、目の前に。
このお店の焼きそばのもう一つの名物とは、卵焼きそば。
食欲を喚起する色合いに焼かれた薄焼きの卵が、たっぷりの焼きそばの上に覆いかぶさり、ソースや野菜のエキスをふんだんに吸収した湯気を封じ込めつつ、自らの味としても取り込む。
日本蕎麦で言うところの、角が立っているかのような口当たり、およそ茹で麺とは思えないようなクミクミとした食感。そして、ソースの酸味がマイルドに感じるのは、湯気の蓋となっている卵の効果か。
そばを食べて卵を食べる。この繰り返しもあってか、全体に味付けがマイルドに感じられるので、2店目でもまったく問題なくズルズルクミクミと完食。紅ショウガの刺激も、懐が深い味を一層際立ててくれる。
両方のお店で並を注文したものの、かなりの麺の量があるので、どちらのお店であっても「食べきらなければ」という、量を片付けるといった雰囲気になってもおかしくなかったのだが、中毒性をもたらすかのような香り、ルックス、そして味によって、最後まで美味しく食べることができたというのが、一番のすごいところ。
身近なところにほど、歴史に裏づけされた深い味は眠っている。そう考えると、神奈川にも秘密兵器と呼べる焼きそばがあるのかもしれないと、思ってしまった。
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