2011年、瀬戸内へ。 〜その2 徳島県徳島市・TOKUSHIMA COFFEE WORKS 山城店 尊敬すべき珈琲に対する姿勢〜
最初のお店を後にして強く感じたのは、
「徳島で珈琲を飲むのは楽しい!」
という、至ってシンプルなことでした。
(もっとも、徳島以外でも旅先で珈琲を飲むこと自体好きなんですが。)
特に、珈琲文化が広範に根付いた徳島という土地だからこそ、
このアイコンを自然に、そして強く尊敬している空気が、
街を包み込んでいる感じがあって、その居心地がなんだかいいんです。
もしかしたら、予定しているお店以外にも、
「行きたい!」
と思わせるようなお店に会えるかもしれない。
そんな期待感があるだけで、
スケジュールされた旅はアドリブでよくなってしまうものです。
ということで、2件目としてやってきたのが、
TOKUSHIMA COFFEE WORKSというお店。
実は、最初に訪問する予定のお店はここだったのですが、
大きな駐車場が満杯になっていたので、
このタイミングでもダメだったら、
それこそアドリブに切り替えようと思ったのです。
でも、タイミングよく駐車するスペースがあったので、
これはもう……運がよかったのでしょう。
こじんまりとしたお店ではなく、
席数で言えば、ゆうに60席ぐらいはありそうな空間。
焦げ茶色の柱に支えられた建物の天井は、
外観からは想像できないほどに広くて高く、
大きな窓から見える緑も相まって、
この空間に身を委ねるだけでも幸せになれることを、
約束してくれてます。
このお店のメニューには、数多くの珈琲が記されているので、
正直、文字を見ただけでも大満足。
それはストレートだったりブレンドだったり、あるいはアレンジ珈琲だったり。
引き出しの多さとアイデアのセンスに対して、尊敬してしまいます。
そんな中から注文したのはWORKSブレンド、
そして季節のケーキとして、
入口近くにあるガラスカウンターの中から選んだ、
桃のミルクレープ。
ネルドリップで抽出された珈琲は、
上品な香りのベールに包まれて、豆本来の味が凝縮された一杯。
とよとみ珈琲が(ご主人の人柄もあって)アグレッシブな感じだったのに対して、
こちらは凛とした感じの一杯。
もちろん、淹れている方の温もりを感じるのは、気のせいじゃありません。
そんな珈琲に合わせてケーキを作るのは、
きっと大変なことだろうなぁと思いながら、
ミルクレープを一口食べると……「!!!」と頭の中に衝撃が。
一言で言うとスケール感のあるミルクレープ。
上品でやさしい甘さのクリームと桃の甘味の組み合わせは、
無条件に幸せにしてくれます。
しかも、珈琲についてくるビスコッティと
和三盆のクオリティの高さにも驚いてしまい、
もう、これはずるいなぁ…と。笑ってしまいました。
元々、珈琲美学というお店の名前で、
徳島の方々に親しまれてきたのがこのお店。
看板にある「ネルの店」というのは、
確固たるアイデンティティであるのと同時に、
地域に対してその姿勢を宣誓しているんだろうなぁと、
感心してしまいました。
…ところで、10月は牡蠣の解禁月。
ということで、貴重な三陸の牡蠣を使ったカキフライを食べてきました。
こんな時だから「カキタベ!」で。