
創業40周年の新挑戦──「500回以上試食した」という言葉に惹かれて
どこか洋食のような雰囲気をまとった、白菜の甘みがたっぷりつまった黄金色のスープ。一番食べやすくスタンダードなお値段なのに、大きなチャーシューと豚バラ肉、そして白菜がたっぷり入った気前の良さ。最初の一口から最後の一口までの安定したおいしさで、体内の満足度メーターが溜まっていき、食べていて楽しくうれしくなる一杯。
大阪出張の度に新大阪駅や伊丹空港で時間を見つけて立ち寄っていた「どうとんぼり神座」。2003年には新宿にも出店していたのに、「やっぱり現地で食べなければ!」という思いのままに、551蓬莱やりくろーおじさんのように、自分にとっては大阪で食べるマストな味でした。
そんな神座が埼玉のアリオに出店したのが昨年のこと。生活圏にぐっと近くなったうれしさのまま、上尾のフードコートですすったその味は、大阪で食べたあの「ふと食べたくなる味」でした。
そんな神座が創業40周年を記念して新メニューを開発。「500回以上試食した」という言葉に惹かれて足を運んだのはさいたま新都心店。お昼休みの時間帯ということで、店内のテーブルもカウンター席にも立錐の余地なし。いい笑顔でラーメンをすすっている姿を見ながら、席が開くのを待っていました。

そのメニューが「冷たいおいしいラーメン」。自慢の出汁を前面に打ち出した「澄みきりお出汁」の言葉が、セロトニンのように溢れる旨さを想像させてくれます。梅しゃぶや煮玉子トッピングバージョンもあるものの、まずはスタンダードで注文しました。
黄金色のスープに貝柱・昆布・鶏の旨味が重なる、新体験の「冷やし」

いつもの器で運ばれてきた一杯には、大きなチャーシューが鎮座。氷でひんやりと冷やされた涼しげな見た目の黄金色のスープにはいつもの白菜と豚肉がたっぷり。
さっそくスープを一口飲めば、もう驚きの旨さ!貝柱や昆布、鶏の旨味がプラスされたという味ですが、どの素材が飛び抜けているということでもなく「全体で旨い」に向かっているんです。
冷やしラーメンのスープは、冷たすぎると塩味が強く感じたり、ヌルいと全体の印象がだるくなったりするものですが、これはスープの温度がちょうどよく、塩味でなく旨味でおいしさが出来ているので、とにかくレンゲが止まりません。もう旨味の新体験です!
驚いたのが白菜。シャキッとした歯ざわりと甘みはそのままに、噛めば旨味がじんわりと。感覚としては浅漬けに近いのかもしれません。豚バラ肉と一緒に頬張れば、もうこれだけで満足なやつですが、チャーシューを頬張れば肉肉しさでパワーをプラス。
スープの中に泳ぐ麺も引き締まり加減しっかり。噛めば押し寄せるしなやかな弾力にスープの旨味がしっかり絡んで、止まることなく口の中に入っていきます。
数適の柚子酢が一杯の印象をガラリと変化させる

半分ぐらい食べたところで、味変の時間。一緒に運ばれてくる柚子酢を加えていきます。
レンゲにスープと白菜、豚肉を入れたところで、2、3適をぽとりと落とせば、ゆず特有の丸みのある爽やかな香りと、さっぱりと引き締まった酢の旨さに変身。
さっぱり味変なのに出汁の旨さはしっかり残ったまま。前半と後半の味を変える、ゲームチェンジャーとして欠かせない存在です。

出汁の旨さに入り浸り、柚子酢の爽快感で軽やかに。あとは麺をすすって具を頬張ってスープを飲み干すだけ。
完飲の印が出てきたら、そこで今日の一杯は終了。抜群に次も食べたくなりますし、ライスを注文してスープに投入した締めご飯もおいしそう。
この旨さを安定して出してくれる神座って、やっぱりすごい。満腹の中で改めて感嘆するしかありません。
