ページが見つかりませんでした | ごはんフォトグラファーが綴る、撮って食べて時に旅するごはんの日記 https://hirudoki.net ごはんフォトグラファーが綴る、撮って食べて時に旅するごはんの日記 Sun, 25 Jun 2023 13:49:22 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.4.3 https://hirudoki.net/wp-content/uploads/2014/09/cropped-takapu_profile-100x100.jpg ページが見つかりませんでした | ごはんフォトグラファーが綴る、撮って食べて時に旅するごはんの日記 https://hirudoki.net 32 32 【大むら/さいたま市与野本町】看板猫に囲まれながら啜りたい麺類とボリューム満点のカツ丼 https://hirudoki.net/saitama-ohmura/14758/ Sun, 25 Jun 2023 02:41:48 +0000 https://hirudoki.net/?p=14758
大むらの外観

与野の中心街は啜り心地のいい通り!?

与野の中心街・本町通り。明治・大正時代に建てられた蔵造りの建物が残るこの道を歩いていると、不思議と多く見かけるのが麺類のお店。お蕎麦やラーメン、土日限定の富士宮やきそばのお店まで。住み心地ならぬ啜り心地の良さそうな通りに佇む一軒のお店。そば処の文字に添えられた「カツ丼」「ラーメン」の文字が目を惹きます。

大むらのショーケース

そして鍋焼うどんや五目そばの昔ながらの食品サンプル、色褪せが少なく卵の黄身が輝いています。

お出迎えするのはどーんと構える看板猫

大むらの看板猫

暖簾をくぐると出迎えてくれたのは二匹の看板猫、ペタ朗くんとコンちゃん親子。お店の椅子でゆったりくつろいだり、店頭のショーケースにすっぽり収まったりと、この上なく可愛らしい姿に注文するのを忘れてしまいそうです。

真っ白な紙にぎっしり書かれた料理の数々

大むらのメニュー

…と、お品書きを見るとぎっしり詰まった自慢の料理。そば・うどんから中華、御飯物におつまみ、夏限定の冷やしまで多彩なラインナップ。ミニ丼やカレーの組み合わせもできるので、さらっと食べたい派も満腹派も受け入れてくれます。

ということで、かつ丼(並)とミニそばの組み合わせを注文。厨房から聞こえる揚げ油の音に耳を傾けながら視線は猫ちゃんにまっしぐら。この時間、かなり楽しいです。

かつ丼×そばの組み合わせは大正義!

大むらのカツ丼&そばセット

お盆からはみ出さんばかりのボリュームで運ばれてきたセットからは、甘口うまうまを約束する割下とさっぱり三つ葉のいい香り。揚げたてのとんかつと卵にしっかり染み渡った旨さで、当然ながらごはんが止まりません。

ミニと言いながらなかなかのボリュームのおそばも、しっかりと張りがあり啜り心地快適。甘じょっぱいの組み合わせに、カツ丼向けの味噌汁がいい味だしています。

誰もが喜ぶラーメン×カレーの組み合わせ

大むらのラーメンと半カレーセット

ラーメンは小躍りするほど嬉しくなる昔ながらのルックス。スープを飲むのに疲れることなくやさしく染み渡る旨味に、こちらも啜り心地のいい麺。フワッとした不思議な食感が口に残る余韻を生み出す理由は「ウチの麺は自家製麺なんです」の一言。家庭的なとろりカレーとの組み合わせは全年代が喜ぶ町のごちそうです。

夏に食べたい!刺激的な香りに包まれたカレータンメン

大むらのカレータンメン

スタミナを補給したいこの時期だからこそおすすめなのが、このカレータンメン。シャキシャキの炒め野菜とトロリとしたスープの組み合わせは一口でクセになること間違いなし。単品でごはんを注文してスープに投入したくなるやつです。

「うまかったか?また来てくれよな(キリッ)」といった眼差しに見送られつつ、次はどんな麺をいただこうか。色々な楽しみと麺に対するこだわりが詰まった素敵なお店です。

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【地鶏ラーメン ありがとう/福島県郡山市】一口飲めばスープが止まらない!みそラーメンと、コクがグン増しするみそバターラーメン https://hirudoki.net/fukushima-arigato/15158/ Sat, 06 Aug 2022 13:13:04 +0000 https://hirudoki.net/?p=15158
ありがとうの看板

郡山駅東口の南北をつなぐ東部幹線。フロントガラスに見えてきたのが、丼から温泉のように湯気が立ちのぼるラーメン屋さんの看板。お店の人柄を感じさせる言葉にいいなぁと感じながら、車は駐車場に向かっていました。

ありがとうの店頭

その名もズバリ「ありがとう」。売りは看板に堂々と書かれた会津地鶏、

ありがとうの手書き看板

そして画角に入らないほどワイドな木の看板に書かれた、自家製めんとやわらかチャーシュー。おいしさの三要素を見せられれば、期待が高まるのは当たり前。意気揚々とのれんをくぐります。

メニューには塩、醤油、味噌が揃い踏み。素材の名物に続いて味も三種類。これを見れば迷うのは当然ですが、少し涼しげな曇りの日には味噌で身体を温めたくなります。

ありがとうの味噌ラーメン

運ばれてきたラーメンのアイキャッチは大きなチャーシュー。そして、丁寧にヒゲが取り除かれたもやし。仕事ぶりが器にたっぷり盛られています。

早速スープを飲むと味噌の豊かな香りが口いっぱいに。会津地鶏を中心に動物系と魚介系を掛け算した旨味の組み合わせは、一般的な味噌ラーメンというよりも味噌汁のように安らげる味。毎日でも飲みたくなるコクと旨味のバランスはクセになりそう。

スープにたっぷりと泳いでいるのは、会津地鶏の卵を練り込んだ生地を切り出した、低加水のストレート細麺。スープのやわらかな味とパキパキ系の麺のバランスが絶妙です。

ほんのりとピンク色が残る柔軟性に富んだチャーシューを頬張りつつ、柔らかな穂先メンマやシャキシャキのもやしをリズミカルに合わせれば、あっという間に麺もスープも残りわずかに。

食べ進めても口が疲れることなく、おいしさがポイントカードのようにたまっていくうちに、ホッとする食後感に到着。「旨いラーメン食べたぁ!」っていう気持ちで満たされます。

ありがとうの店内バター看板

ところで、お店の上の一番目立つところに掲げられているのがバター推しの看板。

ありがとうの味噌バターラーメン

そんな北海道のバターをみそラーメンにトッピングした「みそバターラーメン」。スープ全体に柔らかなコクが静かに馴染んで味わいがグンと深くなります。

ありがとうの店内にあるアイスコーヒーのメニュー

食後にコーヒーとのペアリングを提案しているのも面白い取り組み。郡山市内のコーヒー屋さんの豆なのが、地元LOVEで嬉しいポイント。お店を出るタイミングで注文して、車のドリンクホルダーにセットしたくなります。

一種類食べれば全種類食べたくなるのが、醤油、塩、味噌が揃ったお店の特長。次は名物とされる塩にしようか、はたまた醤油にしようか。でも、丁寧な仕事ぶりと笑顔に満ちたお店の雰囲気に「こちらこそありがとう!」と伝えたくなるのは変わりません。

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【おばんざいと串揚げ たくみ/埼玉県さいたま市】我慢の数ヶ月を乗り切った口開けはここに決まり!秋のコース料理が凄すぎました。 https://hirudoki.net/saitama-takumi-course/14716/ Tue, 05 Oct 2021 06:14:15 +0000 https://hirudoki.net/?p=14716
たくみの外観

新型コロナウィルスに伴って、東京や大阪に出されていた緊急事態宣言も10/1をもって解除。飲食店では酒類の提供制限が残っていますが、暖簾をくぐって酒と肴のマリアージュを堪能した方も多いのでは。

そんなタイミングで「まずはここに行きたい!」と、頭の中で真っ先に浮かんだお店こそお気に入り。自分にとっては「たくみ」がそこ。下戸ルーツの自分にとって肴がおいしく居心地もいい。いの一番に訪れたかったお店です。

たくみの店内にある、飛沫防止パネル

座敷席に腰を下ろすのも久しぶり。もちろん透明の飛沫防止パネルもしっかり完備。この安心感があってこそ、おいしく料理がいただけます。

たくみの夜コースメニュー

普段なら1枚紙のおすすめメニューとレギュラーメニューで、肴とお酒選びに精を出すところですが、今日はSNSで見つけたこのコース料理に決めていました。

おつまみ、お刺身、魚料理に肉料理。シメのごはん。以前からこのスタイルがあればいいなぁ…と勝手に思っていたのですが、こういうタイミングで目の当たりにすると、「店行くぞ!」のスイッチがカチッと入ります。

たくみの夜コース・おつまみ3点盛り

まずはおつまみ3品。岩手県産の生牡蠣に、あん肝、そしてレーズンバター。あん肝のコクが濃密だったり、バゲットの上に座るバターが分厚かったり。久しぶりに外で食べる夜ごはんの見た目と味に、静かに感嘆していたのですが、

たくみの夜コース・岩手の生牡蠣

海の香りを海無し県に届けんとばかりに、生牡蠣のミルキーなエキスと磯の風味がたまらなかったんです。今年の牡蠣は走りの時期なのに大きいんですかね。iphone12miniサイズの結晶には、ギュッと旨味が詰まっていました。

たくみの夜コース・お刺身盛り合わせ

やっぱり、外で食べるごはんって小さなイベントだよなぁ…と、久しぶりの感覚を、ハートランドと一緒に楽しんでいたらお刺身の盛り合わせが。12時の方向にそびえる中トロに始まって、イサキ、黒ムツ、ホウボウ、カツオ、オニカサゴ。どれもピカピカに輝いてます。

弾力プルプル、淡く上品な甘さ、脂のノリ、存在感のある色、香ばしさと風味の融合、全開にパワフルな脂のスケール。一切れが持つ個性が一同に介するお皿に会えるのは、お店でしか味わえない醍醐味。魚選びに厳しく愛情のあるご主人だからこそのセレクトが効いてます。

たくみの夜コース・夏の日本酒メニュー

こうなると、ビールから日本酒にシフトするしかありません。夏営業のタイミングがなかった今年ですが、10月なのに暑いんですよね…となれば、出番を待ちわびていた夏向け日本酒と一緒に楽しむのが一番。

尾瀬の雪どけ

涼感のある名前の尾瀬の雪どけをまずは1合。もし自分が下戸の方に日本酒を飲むときに重視したいのが、飲みやすさ。辛口キリリもいいのですが、甘みの先に引き締まる感覚があるほうが飲みやすいんです。

清涼感があってスーッと広がる香りと、柔らかくナチュラルな甘み。喉を通るちょっと前にクッと引き締まる感覚が、魚の脂を洗い流しつつ華やかな余韻を残します。

尾瀬の雪どけの裏ラベル

この感じの日本酒って不思議と止まらないんですよね。で、ふわふわと心地よくなる。裏ラベルのとおり、やっぱり酒は心のワクチンなのかも。

たくみの夜コース・新秋刀魚の塩焼き

お次はお皿からはみ出した秋刀魚。身のほぐれ感が心地よく、皮の下に閉じ込められた脂もしっかり。もちろん、焼き加減の良さが味の決め手。ワタもスダチと一緒にいただきます。

たくみの夜コース・オニカサゴとはまぐりのスープ仕立て

このコースの嬉しい点は、当日注文ができる上に内容の相談も相談できること。秋刀魚の代わりにオニカサゴとハマグリのスープ仕立てを作ってもらいました。貝の旨味が溶け込んだスープをこれでもかと吸った、蕪やしいたけ、弾力に富んだオニカサゴの身と一緒に。もちろんハマグリを噛みしめれば目の前はもう海です。

山形正宗夏ノ純米

こういう組み合わせですから、あっという間に日本酒の1ラウンド目は終了。お酒に強い体質ならもっと飲みたいのですが、この後に控える料理に合うお酒をおかみさんに相談して、山形正宗夏ノ純米を半合注文。

たくみの夜コース・A5仙台牛リブロースステーキ

そのお供はA5仙台牛リブロースステーキ。鮮やかな赤身とウニの眩しすぎるアイキャッチに箸が引き寄せられると、いやぁ、もう…たまらないしか言葉が浮かびません。

ジューシーな肉汁を際立てるウニのコクと塩味。これって調味料的ですね。「野菜と一緒に食べて下さい」と言われるままに、レタスや素揚げのれんこん、ナスと一緒に組み合わせを変えながら頬張れば、一口ごとにかすかに違う表情を見せてくれます。もちろん、どの顔も素敵なのは言うまでもありません。

たくみの夜コース・いくらごはん

締めくくりのいくらごはん。これもまた当然においしいんです。プチプチと弾けた先に広がるエキスが季節外れの花火のように広がって、コースのエンディングを彩ります。

行きつけの方はもちろんですが、それ以上に初めての人におすすめしたいベストセレクション。気前の良さと細部に行き渡った調理の技を、素敵なお酒とともに楽しめる。やっぱりここは、いいお店です。

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【熊たまや/埼玉県熊谷市】地粉うどんが気軽に楽しめる駅そばならぬ駅うどんの、きのこつけ汁うどん https://hirudoki.net/saitama-kumatamaya/14641/ Sun, 25 Jul 2021 13:43:27 +0000 https://hirudoki.net/?p=14641
熊たまやの外観

日本でも屈指の小麦生産地・埼玉。そんな県の中でも猛暑地帯として知られる熊谷市。その玄関口となるJR熊谷駅改札の先を左手に進むと見えてくるのが熊たまや。赤い看板に堂々と書かれた熊谷うどんのお店です。

市役所によると「熊谷産の小麦粉を50%以上使用」という定義を持つのが熊谷うどん。ここはそれに加えて、醤油とねぎも熊谷産。うどんに欠かせない材料を地物で揃えているのは旅ごはん的にも嬉しい点。

熊たまやのメニュー

メニューの筆頭は冷たいうどん×温かいつけ汁のつけ汁うどんと、かけうどんの温と冷。トッピングの種類もシンプルなので悩む時間も簡潔です。こう暑い日が続くと冷たいかけうどんをズズズッと啜りたくなるところですが、やっぱり最初に来たならばつけ汁うどん。

食券機のディスプレイに見えたのが、麺1.5倍と麺2倍のバリエーション。基本が300gなので、1.5倍で450g。ラーメン店のつけ麺だとかなりのボリュームですが、ここは1.5倍でチャレンジ。

元々はうどんの普通盛りにネットの記事で見かけた「たまごかけごはん」の組み合わせにしようと思っていたのですが、「たまごかけごはんは2年前にやめたんです」と店員さんからの一言。こうなれば1.5倍で本望です。

熊たまやの自分で作る七味唐辛子

カウンター席に座って食券を渡すと「七味はお作りになりますか?」という話が。実はここの名物は自分で七味唐辛子が作れること。

熊たまやの七味唐辛子のすり鉢

麺の茹で上がりを待つ間に、ゴリゴリ…プチプチ…とスパイスを潰す。この店の時間潰しはスマホではありません。

熊たまやの「きのこつけ汁うどん」

そうしているうちに、目の前に大きな器に入ったうどんとおつゆが登場。

熊たまやの「きのこつけ汁うどん」のつゆ

おつゆの中には大きなしいたけやしめじ、そして熊谷産のねぎがたっぷり。一口ごとの具とうどんのバランスに悩まずに楽しめそうです。

熊たまやの「きのこつけ汁うどん」の麺

大きなキノコがたっぷり入ったつけ汁に、七味唐辛子をまぶしたうどんをしっかり浸したら、あとは啜るだけ。冷たいうどん×温かいつゆの組み合わせに、香り高くさわやかな刺激が差し込めば、もうひたすらに止まりません。

少し甘めのおつゆの味をうどんがしっかりキャッチ。ハリ・コシ系というよりも滑らかむっちりな口当たり。だから顎が疲れず唇も楽しく箸が進みます。

麺×つゆのバランスの良さもあって、麺の量を1.5倍にしたことを忘れてハイペースであっという間に完食。次はかけうどんでこのハーモニーを楽しみたいものです!

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【町のごはん屋さん 縁/青森県黒石市】まずはグラマラスで笑顔になれるハンバーグから!! https://hirudoki.net/aomori-en/14179/ Sun, 20 Jun 2021 15:15:00 +0000 https://hirudoki.net/?p=14179
町のごはん屋さん・縁の外観

朝から夜まで一日中打ち合わせをしたり、ノートパソコンとギンギンに見つめ合ったり。身体のリミッターを外して、ドカーン!とボリュームしっかり晩ごはんが食べたくなるのは、だいたいそんな時。

ある日の青森県黒石市。そんな気分で宿に向かう足で見つけた一軒のお店。真っ白な暖簾には「街のごはん屋さん 縁」の文字。店頭にギッシリ貼られたメニューを眺めて、今のコンディションにピッタリと確信。

町のごはん屋さん・縁のとんかつ、唐揚げ、丼、ラーメンのメニュー

カウンター席もありますが、ご時世もあって大きめのテーブル席でメニューを御開帳。豚カツに唐揚げ、丼にラーメン。ズラリと並ぶ茶色くて旨そうな料理を決める時間は、前菜代わりの見るごちそう。

町のごはん屋さん・縁のハンバーグとカレーのメニュー

中でもキラキラ輝いていたのがハンバーグ。しかもカレーも同居。

町のごはん屋さん・縁のセットメニュー

しかも、セット定食もあるじゃないですか!もう、今日はこれに決まり!!この中からハンバーグと唐揚げのセット・ハンから定食を注文しました。

待ち時間に厨房から聞こえるフライパンの音や揚げ鍋の音が気になって仕方ないんですが、その間にできるのは、サービスのドリンクバーマシンを眺めるのみ。「コーラとメロンソーダを混ぜたら…」の空想と共に待つだけです。

町のごはん屋さん・縁のハンから定食

ということで、やってきました! 大きなお盆のメインにグラマラスなハンバーグと唐揚げが堂々と。

町のごはん屋さん・縁のハンバーグの断面

立ち上る湯気を浴びながらお箸で割ると、断面から滴るたっぷりの肉汁。ソースを絡めて頬張ってすぐ、口いっぱいに広がったのは期待を遥かに上回るおいしさ。しっかり押し返すお肉の弾力から、トロッと流れる肉汁の甘さ。ちゃんと存在感を残した玉ねぎの甘さ、家庭的な装いをまとったドミグラス感のあるソース。町のごはん屋さんの屋号にピッタリの味です。

おともの唐揚げは食感を誇張したカラッとタイプというより、お肉の質をムギュッと感じるタイプ。もちろん、こちらも肉汁保証つき。この組み合わせでごはんが進まない理由はなく、茶碗に盛られた白米の山はあっという間に消えてしまったのです。

町のごはん屋さん・縁のハンバーグカレー

となれば、別メニューも食べたくなるもの。あくる日のお昼に選んだハンバーグカレー。大皿を埋め尽くすソースとごはん、レギュラーサイズなのに既に大盛りの様相。スタンダードなソースとハンバーグを絡めて食べれば、どんな人でも元気になれるはず!(そして、睡魔にも襲われるはず…)

作られる料理の数だけお店とお客さんとの縁が増えていく。それがシンプルな料理であるほど、食べる側の中においしさを共有した縁が深まる。ごはんっていいな。そんなことを思わせてくれます。

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【よかよかキッチン/さいたま市与野】ランチに頼れる3種の丼とお惣菜 https://hirudoki.net/saitama-yokayokakitchen/14196/ Fri, 07 May 2021 09:08:21 +0000 https://hirudoki.net/?p=14196
よかよかキッチンの外観

与野駅の線路と旧中山道に挟まれた小さな住宅街の一角、上木崎の交差点近くに突然現れた若草色のキッチンカー。ボードに貼られた写真や手書きメニューの中に「よかよかキッチン」の店名が見えます。

よかよかキッチンのメニュー(その1)

熊本生まれのご主人が「今年4月にオープンしたばかり」というお店の推し素材は、宮崎から直送される霧島ハーブ鶏。

よかよかキッチンのメニュー(その2)

ちょうどお昼時ということもあったので、推しを使ったチキン南蛮丼と炭火塩焼鳥丼を注文してみました。待ち時間に聞こえる「じゅわぁぁ」の揚げ音が食欲をそそります。

よかよかキッチンの「よかよかチキン南蛮丼」

鮮やかなトマトが目を惹くカップの中には、チキン南蛮がたっぷり。

甘酸っぱい南蛮タレが絡んだ衣にはしなやかな弾力のもも肉。野菜のシャキシャキ感が楽しいタルタルソースとの組み合わせで、ごはんがしっかり進みます。

よかよかキッチンの「炭火塩焼鳥丼」

こちらが塩炭火焼鳥丼。もも肉、胸肉、皮といろいろな弾力と味が楽しめます。お肉にしっかり効いた塩味を際立てるのが、深谷ネギの甘さと柚子胡椒の刺激。お酒が恋しくなる味付けなので、ビール片手にというスタイルにもよさそうです。

プラス100円でごはんの大盛りにも対応してくれますが、弾力に富んだ鶏肉を使っていることもあって、食後はしっかり満腹。見た目以上にボリュームしっかりなので、女性はもちろん男性にもぴったり。

よかよかキッチンの「タコライス」

ということで、大豆ミートのタコライスも買ってみました。サルサソースの辛さが割とやさしめなので辛いものが苦手な方でも大丈夫。大豆ミートの存在感もくっきり。アボカドのコクと一緒にごはんが進みます。

よかよかキッチンのメニュー(その3)

こちらのお店、丼の販売だけではなくお惣菜屋さんとしても機能。ハーブ鶏の串刺しや長いもフライがゴロゴロ入った長いもロケットなど。19:30までの営業時間で夕食時の「もう一品」を補ってくれます。

よかよかキッチンの「オードブルプレート」

そんなお店で限定10食で提供されているのが「自粛応援オードブルセット」。霧島ハーブ鶏のスモークチキン×バジルソース、手づくりポテトサラダ、クリームチーズ×いぶりがっこ、そして豚の酢モツ。缶ビール1〜2本ぐらいにぴったりのサイズで色々な味が楽しめます。

両隣のさいたま新都心や北浦和に比べて、飲食店の絶対数が少ない与野駅の界隈で、こうした形で新しい味を提案するお店の登場は嬉しいところ。九州色満載の素材と味つけを組み合わせた丼やお惣菜の提案で、これからも食卓を賑わせてくれそうです。

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【中華ひろと/埼玉県さいたま市】あつもり麺×スープ×タレ・魚粉で味変パターン無限大!絡めて啜ってとことん楽しむ「こくまろつけ麺」 https://hirudoki.net/saitama-hiroto-tsukemen/14119/ Tue, 29 Dec 2020 08:52:55 +0000 https://hirudoki.net/?p=14119
中華ひろとのつけ麺説明POP

住宅街の名店。なんとも言えない魅力が詰まったこのフレーズ。

与野駅で思い浮かぶのは中華ひろと。定番の支那そばや季節限定のトマト冷やし中華には、研究熱心なご主人のアイデアと、中華料理店に欲しい「そうこなくっちゃ!」な普遍性が融合。いつだって、暖簾をくぐればドキドキする新しい味に出会えます。

そんなお店が最近リリースした新定番メニューが「こくまろつけ麺」。注文前に決めておきたいのが麺の量と温度。並盛200g、大盛300g、特大盛500g。三択なら真ん中を選んでみましょう。あとは麺の温度ですが「『あつもり』がオススメですよ」と言われれば決まりです。

注文して待つこと10分弱。スープ、トッピング、麺の順で集合。テーブルに器が置かれた音に、並々ならぬ重量感を覚えます。

中華ひろとのつけ麺写真

大きめの器に入ったつけ汁からは、さっぱりしたネギの香り。別皿には麺とスープと一つになる出番を待つチャーシューとメンマ。そしてたっぷりの麺。

中華ひろとのつけ麺スープ写真

麺をすする前につけ汁を一口。あっさり目の印象からググッと膨らむ魚の豊かな風味。青々しさと切れ味のある脂のコクの正体はサバ出汁。しっかり目な味付けが主流のつけ汁に対して、この存在感はちょっとしたブルーオーシャンです。

中華ひろとのつけ麺の麺写真

大きな器に入った麺は鶏ガラスープにヒタヒタと。ちゅるんと唇に触れる感覚が楽しく、どことなくパスタのような弾力。鶏ガラスープの旨味をサラリとまとった麺とサバの旨さが一つになった味が夢中で啜らせます。

中華ひろとのつけ麺トッピング写真

たっぷりの麺を食べすすめるのに欠かせないトッピング。メンマにチャーシューに三つ葉、汁と麺のおいしさに香りや弾力、そして肉々しさで華を添えます。

で、写真を撮り忘れてしまったのですが、後半戦で活躍するのが魚粉とタレの味変ツール。「鶏ガラスープにタレを組み合わせただけでもおいしくなっちゃう」とご主人が話すほど、この味変が効果的。さっぱり目の味に慣れた口にしっかり強めの味。もうひとつの顔を見せてくれます。

もちろん、これだけ食べればお腹に隙間は皆無。麺が空っぽになった鶏ガラスープとつけ汁を、蓮華の中でブレンドしながら余韻に浸れば、この一杯の虜になること間違いありません。

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【みたか食堂/福島県郡山市】寒空の身体に沁みる味噌たんめんと餃子。そして想像を遥かに上回るカツカレーのボリューム。 https://hirudoki.net/fukushima-mitakashokudou/14155/ Sat, 19 Dec 2020 07:27:08 +0000 https://hirudoki.net/?p=14155
郡山のみたか食堂の外観

郡山駅から徒歩10分、小さな食堂の熱気が出迎える。

地元の方いわく「いやぁ、一気に降り積もって来ましたね」と、季節外れの大雪が夜空を舞う12月の郡山。寒空の交差点で信号待ちをする時間、キンキンに冷えた空気がスマホを動かす手の動きをぎこちなくします。

郡山駅西口から旧市場通りの先に歩くこと10分ほど、通り沿いに見えた看板に灯る、みそラーメンと餃子の文字。そして、店構えをキリッと引き締めるみたか食堂の暖簾。その先では店内を温める大きなストーブと、おかみさんの「いらっしゃい」の言葉が、温かく出迎えてくれます。

郡山のみたか食堂のメニュー

壁に貼られたメニューを見れば、やっぱり主役は味噌の麺類。カレーライスやカツ丼、定食もあるものの看板メニューの味噌たんめんと餃子を注文します。

郡山のみたか食堂のカウンター席と厨房の様子

よく、カウンター席は特等席と言いますが、ここまでしっくり来るお店は少ないかも。

中華鍋を振るって野菜を炒め、大きなザルで麺の湯切りをするご主人の姿。その傍らでお皿を準備をしたりと、テキパキとサポートするおかみさん。ガラス越しに見えた夫唱婦随の動きに目を奪われます。

野菜の甘さが溶け込む味噌タンメン

郡山のみたか食堂の味噌タンメンと餃子

「おまたせしました」の5秒前、厨房とテーブルを隔てる暖簾越しに見えた器のサイズに、ただただ驚くしかありませんでした。四人がけのテーブル席が小さく感じる味噌タンメンと餃子の姿は威風堂々。

郡山のみたか食堂の味噌タンメン

もやしよし!豚バラよし!キャベツよし!ニラよし!にんじんよし!

たっぷりの炒め野菜を頬張ると、期待以上のシャキシャキ感。豚汁のようにさっぱりした野菜の甘みと豚のコクが溶け込むスープ。だからこそ甘めな味噌の存在感が、口の中で堂々と。

郡山のみたか食堂の味噌タンメンの麺

もっちり中太麺をすすりながら野菜を頬張る。そうそう、この感じで空腹を満たしたかったんです!

生地と餡の食感の対比が楽しい!アツアツの餃子

郡山のみたか食堂の餃子

傍らの餃子は、半透明の羽がちょっとかわいい。もちもち生地の中にはきめ細やかなキャベツや豚肉の餡。何より食感の対比が面白い。なんというか、もふもふ…という感じ。初めての食感。だから一口ごとに驚きとおいしさが組み合わさっていく。

熱々の醍醐味を啜って頬張るうちに、思わず「ぷはぁ!」と声が出るのは、夢中で食べていた証拠。いつの間にか器の中にはスープが残るのみ。無数の細かい大豆をレンゲで掬って噛み締めながら、ごちそうさま。

郡山のみたか食堂がくれたマスクケース
お店に入って、お水と一緒にいただいたのがマスクケース。こうした気遣いをしてくれるのも嬉しいところ。

味噌タンメンの味の秘密は◯◯製の味噌にあり!

お会計のときに女将さんに「なんで、こんなにおいしいんですか!?」と尋ねると、「味噌はウチで作ってるんですよ」と謎を解く自家製の一言いただきました。だからあたたかな味で、お店を出るときに後ろ髪を惹かれるんだと。

寒い冬の夜に出会った、この上なく優しい味噌タンメンの味。「ありがとうございました」と女将さんの優しい顔とともに忘れられないものになりました。

圧巻のボリューム!パワフルを超越したカツカレー

郡山のみたか食堂のメニュー(2022年5月からの値段)

それから数カ月後、季節を飛び越え夏のような暑さが郡山を包んだある日の昼。再びお店の暖簾をくぐりました。入口すぐのテーブル席とカウンター席は満員御礼。靴を脱いで小上がり席へ。ご時世もあってか料理の料金は少し値上げしたものの、あのおいしさやボリュームを考えれば今までが気前良すぎな感もありました。

で、数多の料理から注文したのはカツカレー。相席になった初対面の方にお水を用意してもらったりと、小上がりテーブルって不思議な連帯感が生まれます。

郡山・みたか食堂のカツカレー

そんな中で運ばれてきたのがこちら!まさかの特大サイズ、たっぷりの白ごはんの上に大きなカツ。そこになみなみ注がれたカレーソース。白い皿から溢れんばかりのバランス感覚にちょっとドキドキです。

砂浜で山崩しをする感覚でスプーンでそっとすくって口に運ぶと、とろり甘口のソースからピリッと差し込む優しい刺激。食べやすいサイズにカットされた玉ねぎや豚肉がじっくり煮込まれた、永遠のスタンダードスタイル。ごはんをおいしく食べるために長年培われてきた小さな技が詰まった味には貫禄すら感じます。

郡山・みたか食堂のカツカレーの分厚いカツ

ロースカツも圧巻のボリューム。サクサク衣の中には厚さ1センチのロース肉がしっかり。もちろん衣にはカレーソースの旨さがしっかり染み込んでいます。やっぱりカツカレーって特別ですよね。

郡山・みたか食堂の中華風スープ

付け合せのスープは中華仕立て。たっぷりのワカメにネギ、ナルト、そしてコク出し役の揚げ玉が効いてます。

で、このスープがすごく身体にやさしいんです。その理由は、とにかくごはんのボリュームがスゴいから。推定茶碗換算3〜4杯分ぐらいのカレーを食べていると、水分も恋しくなるもの。それも胃を動かしてくれる温かいやつが。そんな時にこの一杯。最後の一口までおいしく食べるのに欠かせません。

ということで、20分ぐらいかけてようやく完食。胃袋と心を満たしたのは唯一無二の達成感。そんな時に目に入ったのが隣のテーブルに席に運ばれていたチキンライス。もちろんボリューミー。次も胃袋を空っぽにして暖簾をくぐることを心に決めました。

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【パティスリーエクロール/福島県福島市】街を愛するパティシエールが作るケーキと焼菓子、そして音楽好きに最高のお土産菓子「クレ・ドゥ・ソル」 https://hirudoki.net/fukushima-eclore/13829/ Mon, 17 Aug 2020 03:09:03 +0000 https://hirudoki.net/?p=13829
パティスリーエクロールの外観

福島市に来ると意外に悩むのがお土産選び。福島駅構内のお店には、ままどおるや薄皮饅頭といった「福島銘菓」としてお馴染みものはありますが、せっかくですから「福島市生まれ育ち銘菓」を買いたいところ。

そんな気分でいるときに、福島の県庁通り沿いのオジマパンや、菊原キッチンカロリーの向かいに建つ上町テラスに見えた小さなお店。スクスクと伸びた入口の緑に誘われて近づくと、そこはパティスリーでした。

キラキラ輝くケーキや焼菓子、ヴィエノワズリーがお出迎え

パティスリーエクロールのケーキケース

お店に入ると壁面の棚に並ぶたくさんの焼菓子とガラス越しに輝くケーキがお出迎え。素材の華やかな色とスポンジやクリームが持つベースカラーが融合したケーキには、エネルギッシュな楽しさと静かに佇む品の良さを感じます。

パティスリーエクロールのヴィエノワズリー

ケーキケースの上にはクロワッサンやパンオショコラといったヴィエノワズリーも。こうした商品を眺めていると作り手の世界観に触れられる楽しさを感じます。

フランスで修行したパティシエールの技の結晶

そんなお菓子やパンを作るのが、地元出身のパティシエール・鈴木智絵さん。厨房とレジを行き来する小さな身体。そこに満ち溢れるエネルギーの源が気になって、商品のことを伺いつつご自身のお話を聞くことができました。

高校卒業後に北海道の専門学校を経て仙台の製菓メーカーに入った鈴木さんでしたが、「自分の作りたいお菓子と違和感を覚えた」ことをきっかけに上京し、コンフィチュール専門店で働きます。

瓶の中でキラキラと輝くコンフィチュールから、素材の色や香り、そして遊び心のあるフレーバーに触れて、「商品作りを通じてパティスリーの基礎を学んだ」そうです。

その後、「とにかく色々なものに出会いたかった」という好奇心は止まらず単身フランスへ。「パリよりもローカルの顔をみたかった」という鈴木さん。ブルターニュを皮切りにフランス各地で郷土菓子と出会い、修行に励みました。

そこで触れたのは「パティスリーとお客さんとの間に生まれる、おいしさと楽しさが作る関係性」。目指したいものを見つけた鈴木さんは、再び東京に戻ってホテルで修行。ケーキのスポンジづくりといったお菓子の土台となる部分を学んだ期間は「色々な哲学や仕事ぶりに触れることができた」という大切な時間だったそう。

こうして、全て経験と思いの結晶として、パティスリーエクロールは二年前にオープンしました。

イートインスペースで楽しめるケーキセットと、フランスでお馴染みの「サロン・ド・テ」スタイル

パティスリーエクロールのケーキセット

そんな思いと技術で作られた焼菓子・生菓子をイートインスペースでいただきます。お店の商品は全てここで食べられるそうですが、今回はケーキセットを注文。

選んだのは季節のフルーツを使ったショートケーキ。軽くふわふわした口当たりの先にしなやかな弾力を感じるスポンジと、しっとり滑らか甘さ控えめの生クリーム。「福島産を中心にフルーツを選んで、持ち味の個性を大切にしている」というコンセプトのとおり、果物の甘さや酸味といった特長を際立たせるバランスが繊細に組み上げられています。

そして目が合って我慢できずに追加したシュークリーム。まずシンプルに生地がおいしいです! 厚みのあるサクサクと香ばしいシュー生地の食感が心地よく、中にたっぷり詰まったバニラカスタードを口の中に置くと、少しずつ卵の濃厚な味が開いてきます。クリームがタプタプした質感なので、頬張るときにも崩れないのが嬉しいポイント。蓋でクリームをたっぷり拭って食べればもう、幸せ一直線です。

パティスリーエクロールのサロン・ド・テセット

そしてこちらが最近始めたという「サロン・ド・テ」セット。

フランスではアルコールも含めたとしたドリンクを楽しむ場が「カフェ」なのに対し、ケーキを飲み物と一緒に楽しむ場が「サロン・ド・テ」。もちろん2つとも暮らしに欠かせない定番のスタイルです。このセットでは、鈴木さんがフランスの色々なサロン・ド・テに触れてときめいた実体験を、パンや焼菓子、そしてエスプレッソのセットメニューに編集して提供しています。

パリしっとりといった趣の歯ざわりが楽しいクロワッサン、バターの香りとコクがしっとり生地から豊かに広がるマドレーヌ。そして表面軽やか中身しっとり、サンドされたガナッシュの濃厚な甘さが余韻を残すマカロン。パティスリーでお腹いっぱいになる経験って少ないものですが、このセットは確実にブランチ向けです(ドリンクが2杯飲めるのもうれしい!)。

すっかり甘いものでお腹が満たされたところで、この気持ちを家に運ぶお土産選びへと移ります。

彩り豊かなコンフィチュールと、種類豊富な焼菓子たち

パティスリーエクロールのコンフィチュール

まずはコンフィチュール。「素材を大切にすることを教えてくれた」原点と語るいわばお店のシンボル。「本当はもっと色々な味を作りたいけど、なかなか時間もなくて…」と語る姿に愛を感じます。

選んだアプリコット&フランボワーズは、濃厚な甘さの中にフルーツの香りと果肉感がぎっしり。パンの上でしなやかに伸びてくれるので、バゲットにも食パンにしっかり馴染みます。

パティスリーエクロールの焼菓子

種類豊富な焼菓子は小さな個包装なので、バッグの余白に入れて帰りの新幹線で食べるもよしな存在。右のクッキーのように、袋の口を止められるのってうれしいですよね。

こういうお土産がほしかった!音楽の街を象徴するクッキー×チョコクリームの「クレ・ドゥ・ソル」

パティスリーエクロールの「クレ・ドゥ・ソル」の看板

でも、一番気になったのは店頭の看板で見つけた、このクレ・ドゥ・ソルというお菓子。

パティスリーエクロールの「クレ・ドゥ・ソル」の店内販売棚

フランス語でト音記号を表すというこのお菓子は、朝ドラ・エールの放送に合わせて開発。福島県産の米粉を100%使ったアイスボックスクッキーで、チョコレートクリームをサンド。渦巻き模様をト音記号のデザインに組み合わせた遊び心が楽しく、小麦アレルギーの方にも喜んでもらえるのもポイント。

チョコレートクリームのフレーバーがいくつかあったのですが、まずはスタンダードのチョコを箱買いしました。

パティスリーエクロールの「クレ・ドゥ・ソル」

個包装から取り出すと、驚いたのが2センチほどの厚みと手に響くしっかり感。もちろんクリームもたっぷり。食べる前にテンションが高まります。

口に運べばチョコレートやアーモンドの豊かな香りと生地のバターの香り。サクサクと軽やかな食感に、かすかなしっとり感を残した特徴的な歯ざわり。溶け出さない固さを持ったクリームが口の温度で溶けると一体になります。

クッキーはさっぱり目、チョコレートクリームはしっかり目の甘さ。どことなくホームメイド感があるおいしさが喉の奥に近づくほど、さらに香りが膨らんで味の余韻へと導きます。

厚めのクッキーが2枚だったので、食べる前は全体にかなり重厚かもと思ったのですが、米粉のさっぱりした生地の特性がいかんなく発揮。生地が細かい粉になってポロポロ落ちることも少なくて食べやすい。

いわばこれは音楽の街・福島市に生まれた新しいお土産のスタンダードナンバー。誰にでも喜んでもらえて当地らしさを伝えるお土産にうってつけの一品です!

お菓子づくりの原点は「人が喜ぶ笑顔」と故郷への思い

パティスリーエクロールの焼菓子セット
結局は選びきれずに、クレ・ドゥ・ソルだけではなく焼菓子のセットもお土産に。

「もともと物を作ることが好きだった」という鈴木さん。子供の頃から裁縫や料理、編み物、ビーズにハマっていました。その理由は「自分の作ったもので人が喜ぶことが嬉しかった」から。もちろん、おかし作りも大好きで、おじいちゃんにバレンタインチョコを作ったときには、「孫にチョコレートを貰ったと嬉しそうに、ご近所の人に自慢していた」ことが嬉しかったそう。

これが原体験となって「家族にデザートを振る舞ったり、友人の誕生日に学校にサプライズケーキを持ち込んだり」と、一層お菓子作りに励んでいきましたが、「シュークリームの生地がなかなか上手く膨らまなかったり、シフォンケーキが萎んでしまったり。スポンジケーキがなかなかふんわりと焼けなかったり…」と、うまく作れなかったこともあったといいます。

それでも、「上手くいかなかったときに何度も試行錯誤することも楽しくて、だからこそ上手く作れた時の喜びもひとしおでした」と、小さな頃から前向きな姿勢で道を切り開いてきました。

「何よりも、お菓子は人を笑顔にします。私は根本的に人が喜ぶ姿を見ることが好きなんだと思いました。自分の手から生み出したもので人を笑顔に出来る。そんなお菓子を作っていきたい、仕事にすることを目指そうと考えました」

小さなお店の中で輝くお菓子は、パティシエールを目指した日に生まれた強い決意と、「地元の食材を自分のお菓子をきっかけに少しでも知ってもらえたら」という、故郷・福島への愛が込められたもの。

「これからも、お客様の思い出の一部、誰かと誰かを繋ぐきっかけ、人の記憶として残るようなお菓子を作り続けていきたいと思います。いつか小さかったあの子が、子供の頃に自分のケーキを食べた思い出を語ってくれる日が来ることを願い、仕事を続けていきたいと思います」

店名のエクロールはフランス語で「花が咲く」という意味。この街には今も聞き語り継がれる音楽と、未来に向けて語り継がれる、花のように可憐なスイーツがありました。

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