【高はし/築地】小アマダイの一夜干し定食

07-04-13-1.JPG

前日から徹夜仕事となってしまい、その間に口にしたのはコンビニ食ばかり。で、ようやく開放されたのがこの日の正午過ぎ。ということで、疲れをふっとばすものが食べたくなり、高はしへ。

で、注文したのは若狭湾で獲れたアマダイを一夜干しにした、このお店の十八番。

焼き上がりには15分ぐらいを要するので、その間は炒め油のコクがくっきりしたキンピラごぼう、あっさりとやさしく煮汁の味が広がる切り干し大根と里芋。そしてきゅうりの糠漬けを食べる。
そして、目の前にお待ちかねのアマダイが。

07-04-13-2.JPG

小とはいえども、約20センチあるアマダイから発せられる芳ばしい香りは食欲を喚起し、ピンク色の皮についた焦げ目と、切れ目から広がる白い身による彩りのコントラストは、この後数十秒後に広がるであろう味に対する期待感を喚起する。

さっそく、切れ目から身をほぐして一口。

07-04-13-3.JPG

フワフワとやさしい食感から広がるのは、一夜干しによって凝縮された、口当たりがやさしい上質の旨み。溢れてくるこの味で、ご飯を食べることは申し分のない心地よさ。そして、この身を噛み続けることで、食感の変化とともに更に奥深い旨みへと展開される。

また、皮のパリっとした食感がクニュっと変化する際に、皮と身の間に張り巡らされたコクが口いっぱいに広がるのも、なんとも言えない魅力。自分は魚の皮の味というのも好きなのだが、これはそんな人間にとってはたまらない味。

身を一通り食べつくした後は、もう一つの楽しみである頭部付近の身へ。脳天の位置にあたる部分が持つ違った旨みや、カマあるいは頬の部分が持つ引き締まった筋肉の弾力。これらを食べてこそ魚一匹をしっかりと食べるということになる。

そして、そこで出会った個人的に一番印象的だった味は…

07-04-13-4.JPG

この目の周りのゼラチン質と筋肉が持つコク。口に入れてじゅるっと溢れてくる旨みは、この魚の部位で一番濃厚であり、鮮烈な印象を与えてくれる。

徹夜明けの締まりのない状態もこの定食で大回復。やっぱり旨いものにはエネルギーが満ちているということを、再確認させてくれた定食であった。

【この記事を書いた人】

合同会社ソトヅケ代表社員/Local-Fooddesign代表

企業とお店の外付け商品開発・広報部として、国・地方自治体時代の経験とマーケティングの組み合わせで、作る×伝えるでお客さんとの繋がりを丁寧にサポート。

企業やお店の商品企画開発と撮影・PRツール制作を中心に、皆さんの想いを揺るぎない価値に変換します。

ポートフォリオやサービス内容はリンクをご覧ください。ご質問やお問い合わせもお気軽に!

坂本貴秀をフォローする
東京築地和食