3月というのは、実はカキの身に旨み成分であるグリコーゲンがたっぷりと蓄積された、もっとも旨い時期である。
という、少しマニアックな話は置いといて、とにかくカキを体内に取り込みたい今日この頃、実は未食だった「たけの食堂」のカキフライを食べることに。
ここのカキフライの特長は、小さめのカキを3~4個をボール状にしてフライにしている点にあるのだが、出てきたカキフライを見て思ったのが、いくら小さめとはいえども、3~4個入っている割に思ったより小ぶりということ。
で、ガブリとかぶりついて割ってみると…
レンズが曇るほどの湯気や豊富な磯の香りと同時に、勢い良く現れたのは、たっぷりのカキ。そして、ここで判明したもう一つの特長が、生食用のカキを使っているということ。なので、加熱用のカキが持つ味の濃い肉汁によるなジューシーさではなく、生食用のカキ特有の、磯味によるジューシーさを持っている。
ただ、生食用にありがちなしょっぱいという感覚はなく、生食用が持つエキスの味が、たっぷりと詰まっている。そして、これが2~3月のカキが持つ長所でもある。
また、テクニカルな話として衣が少し厚めになっており、これによって揚がった後も衣の内部では、カキが蒸される具合になる。
自分はどちらかというと、生食用のカキフライは、ゴハンのおかずに向かないという理由で、あまり好みではない。
ただ、ここのカキフライは最初の一口はソースをかけて衣をメインに食べて、次の一口以降で塩を振ってカラシを塗って食べると、カキの旨みを吸った衣と塩味による一種の蒸しカキでごはんを食べるという、カキフライなのにカキフライっぽくない妙な楽しさを味わえる。
そして、もう一つ印象的だったのが、
このあさりの味噌汁の中に、ストレートな旨みが鮮烈に滲み出していたこと。貝は春の季語。マガキも楽しめるこの時期は、一年で最も貝類を豊富に楽しめる時期でもあろう。