【まだん/内幸町】ビビン麺

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銀座や日比谷あるいは内幸町界隈で、おそらくもっとも人目につかない場所にある韓国料理店へ。

店頭に貼られたメニューの数に心踊りながら入店すると、店内に更に無数に貼られたメニューに、今度はうれしい悩みを抱えてしまう。

熟考の末に、牡蠣チジミにしようと思ったものの、あいにくの夜メニュー。ということで、ビビン麺を注文。すると間もなく、カクテキや卵焼きなどが目の前に。

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このカクテキの量や質は、香の物ではなく副菜。太い春雨のゴマ油炒めも、しっかりとした味付け。これにカクテキのタレを絡めるとなお旨し。そんな量に感心しているところに運ばれてきたのは、セットのビビンバなのだが…

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とにかく、でかい。茶碗サイズを想像していた自分が情けない。

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コチュジャンの量は少なめだが、下味がしっかりとついているので、金属のスプーンで混ぜるごとに、旨さと辛さ、そしてボリューム感が一体となった味となる。少食の女子であればこれだけでお勘定に向かってもおかしくない。

正直、自分も食べているうちに、「ビビンバと間違えたか…」と思ってしまったが、最後の一口が終わるころに、ようやく主役の登場。

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更に一回り大きな器に入って運ばれてきた。

牛肉やキムチ、時にはリンゴといった具合に、いろいろなものが盛られた華美なビビン麺を目にすることは多いが、ここのビビン麺は薄化粧。そば粉とデンプンによる韓国のベーシックな冷麺に、酢が効いた唐辛子ダレがしっかりと絡まる。

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もちろん、その弾力には最初は押し返されるが、徐々に歯に馴染むかのように波長が合い、貼り紙のとおりマイルドな辛さに慣れるのと同時に、胃袋に入るスタンバイ完了となる。

シャキシャキのきゅうりは、辛さをやわらげてくれる。でも、実はこれが食後に広がる辛さの大爆発を誘発している。シンプルな構成だからこそインパクトは大きい。

家庭の味だからこそ気取らず旨い、ただそれだけ。でも、それが一番難しい。そして、お店の場所を探すのも難しい。

【この記事を書いた人】

合同会社ソトヅケ代表社員/Local-Fooddesign代表

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