六本木・門次郎 豆腐、岩牡蠣、霜降り牛…ここは、素材の味が持つ意味を教えてくれる店

27/06/2007東京, 六本木・神谷町, よるどき

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乃木坂の駅に到着したのは、あと20分ぐらいで午後6時になろうかという時間。
東京ミッドタウンに向かう多くの人よりも、少しだけ先に信号を渡り、六本木の交差点方面に向かうその目的地は、囲炉裏焼店・門次郎。先週の土曜日にここで開催されたのはとあるオフ会。

お店の前に到着すると、店員さんからは「もう、皆様いらっしゃってますよ」という言葉。ということで、慌てて階段を登り店内に入ると、既に今日の参加者がほぼ勢ぞろい。 早速、囲炉裏の席に腰掛けて、上戸の方はビールで、自分を含めた下戸の方はウーロン茶を注文して乾杯。
さて、「何でも旨い」というこのお店の料理。最初に運ばれてきたのは、大ぶりのお豆腐。

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 自分の分は、小さい氷が敷き詰められたお皿に盛られて運ばれてきたものの、ほとんどの方のお皿は木桶。
 「最初は何もつけずに」という、会の主宰からのアナウンスがあったので、一口大に豆腐をすべく箸を通すと、上品な弾力が伝わってくる。そして、口にして驚いたのが密度ある豆腐から広がる甘さとコク。
 醤油やら塩をつけないと豆腐が食べられないというのは、豆腐そのものに味を感じないからなのだが、この豆腐はむしろ何もつけないほうが旨いのではというぐらいに濃厚な味。ということで、最後まで調味料なしで食べつくしてしまった。
・ソラマメ
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 ザルにたっぷりと盛られたそらまめの薄皮を剥いていると、ほのかに甘い香り。
 そして、この香りに誘われて口にすると、豆腐とはうってかわって、荒々しいコクとほんのわずかなソラマメ特有の心地よいクセが広がる。
 何も足してないのに、十二分な味を持った一粒一粒。
・刺身4点盛り
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 手前から時計周りで、中トロ、ヒラメ、シマアジ、そして〆鯖。
 ということで、時計周りに食べてみると、見た目には赤身に近い色合いの中トロは、一口食べるとえらいことになってしまうぐらいの、驚きと濃厚な脂による満足感を与えてくれるのだが、そこは中トロ、上品な一面も持っている魅力的な一品。
 ヒラメもシマアジも、弾力やいい意味でのこってりとした旨みをしっかりと感じさせる、強い味の刺身となっているのだが、一番秀逸だったのが〆サバ。酢が尖っておらず、鯖の脂と旨みが十二分に引き出されている。これは実に魅力的。
・岩牡蠣
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 でかい、とにかくでかい。殻の大きさは約20センチ。そして身の大きさも約17センチという、ディスイズ岩牡蠣といった具合の岩牡蠣。薬味のあさつきと紅葉おろしをたっぷりと乗せてほおばると、ミルク味しかしないぐらいに濃厚な味。いい意味で薬味が機能していない。それぐらいに壮大なスケールの味である。
 マガキと違って、岩牡蠣の食感はシャクシャクした細胞による、しっかりしたそれが歯に当たるのだが、この岩牡蠣の食感も申し分なし。自分が好きな外套膜の味も、海水的な味ではなくほのかに塩が効いた甘み。
 そんな岩牡蠣は千葉県銚子産とのことだが、実は産地うんぬんというよりも、単純に「旨いものを持ってきて」という仕入れのほうが、産地一点張りをするよりもリスクヘッジとなるため、いい仕入れ方式だというこのお店のポリシーを店長さんから伺った。確かに、牡蠣も産地一点張りの場合は、海水温度が高くなってしまうことで、養殖量が少なくなってしまうエリアもあるだけに納得。
・焼き鳥
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 地鶏のささみ焼と正肉。
 前者はゆず胡椒との相性が、後者はぎっちりと引き締まった肉を噛むたびに広がるエキス、エキス、またエキス。しつこさがなくエキスと脂が一体になった理想的な味。
・いぶりがっこ
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 芳醇な香りは食欲を刺激し、口の中で広がるのはずっしりと力強い香り、そして大根の凝縮された旨み。口の中で一体となるその味は、実は漬物があまり得意ではない自分にとっても、フェイバリットとなった一品。
・イワナの塩焼き
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 実は、熱々のイワナを横目に、自分はまだ岩牡蠣を食べていたのだが、主宰に諭されて一口。
 ほぐれる身からは豊かな香りとほのかな塩味。そして、これに包まれた身の旨さは、脂がのった魚が持つ迫力とは対照的にやさしいもの。
・極上霜降牛米沢牛のステーキ
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 自分が楽しみにしていた一品。実物との初対面で感じたのはズバリ迫力。
 サシの入り方と横の脂身のコンビネーションは、見ただけで野心を奮い立たせるかのごとく。ところが、実際に口にしてみて感じたのは、十分な脂のコクに負けない十二分な赤身の旨み。
・明太子
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 豪快なステーキの次には、色鮮やかな明太子。辛さだけではなく、粒一つ一つに味わいが凝縮されている。この時点でご飯を欲することとなる。
・トコブシと姫サザエ
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 貝類2種類が大皿に綺麗に並んで登場。
 こちらの方のフェイバリットとなったトコブシは、十二分な弾力に満ちた歯ごたえと、一噛みごとにこれでもかとあふれてくる、重低音のような深み感じさせる味が、そして姫サザエは、ワタの苦味とコクがたまらない一品。
・梅茶漬け
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 明太子の勢いもあって、別にお茶漬けを注文。でも、そのままで旨かったこともあり、結局、明太子はソロで食べることに…
・冷やしトマト
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 メニューを見る限り、このお店には甘味なデザートはないのだが、お茶漬けの少し前に運ばれてきた、このフルーツトマトが役割を果たしてくれる。
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 鮮やかな紅から広がる甘さに、申し分なし。足し算型のデザートではなく、一つの素材から織り成される味は、最初から最後まで素材にこだわるお店のスタイルが投影されている。

 最初から最後まで、素材の味を軸にして、大掛かりな調理をせず、いかにして素材の味を伝えるかに徹しているようなお店。その姿勢とある種の潔さは、味以上に魅力を持ったお店の要素となっている。 

この記事を書いた人

takapu

ローカルフードデザイナー/伝承料理研究家/Local-Fooddesign代表。食にまつわるテーマを中心に、新商品・サービスの開発とリニューアル、プロモーション・コンテンツの企画制作。各種編集、取材、撮影、執筆、講演をワンストップで手がけています。サービス内容はこちら。>>Local-Fooddesign

Posted by takapu