高松へ、徳島へ、瀬戸内へ。〜その7 ART SETOUCHI/犬島「家プロジェクト」〜

19/01/2012岡山,ひるたび・さんぽ

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精錬所を後にして、
フェリーが出航するまでの時間は、
ぶらぶらと島内を散歩。
周囲4キロという小さな島なので、
歩いても歩いても海の姿が垣間見え・・・と思いきや、
釣り船が停泊しているエリアからちょっと離れれば、
海の姿の代わりに住宅が点在する集落に出ます。
ところで、この島で展示されているアートには、
精錬所だけではなく、「家プロジェクト」というものがあります。
アルファベット1文字が付された邸宅がギャラリーの名前、
建物が少ないゆえ、地図だけ見れば簡単にたどり着けるはずなのに、
集落の中に突然その姿を発見すれば、やっぱり嬉しくなってしまう。
そんな感じの作品です。


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その中の一つが、このS邸。
ゆるやかにカーブを描くアクリルのギャラリーケースには、
蜘蛛の巣が、まるでレースカーテンのように張り巡らされています。
ケースに添って歩いていると、目に飛び込んでくるのは1ドル紙幣。
犬島という環境で違和感を覚えるこの存在、
金融至上主義を否定する作品の象徴たるものは、
お金を介さずに自然と人間がシンプルに、深く共生している犬島だからこそ、
その存在を強く意識するのだと思います。
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そんな作品を後にして歩いていると、
こういった生活に密着したものに、
不思議な佳さや感銘を覚えます。
おそらく、普段の生活エリアにあれば、
きっと見向きもしないはずなのに。
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さらに先に進むと「中の谷東屋」という、
銀色の傘と椅子の作品が目に入ってきます。
座ってもよかったようなのですが、
どういうわけだか座ってはいけないものと
勘違いしてしまいました・・・
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そんな感じで、犬島の時間ももうすぐ終わり。
時間がゆっくりと流れている感覚だったのですが、
どうやらそうもいかないようです。
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最後に、精錬所をもう一度。
また、いつか訪れたいと思います。

著者プロフィール

takapu

ごはんフォトグラファー/Local-Fooddesign代表
食にまつわる各種コンテンツ制作(フォトグラファー、エディター、フードライター、インタビュー)、商品開発・リニューアル提案、PRツール・ロゴ制作などを手掛けます。
創業75年以上の老舗食堂を紹介するウェブサイト百年食堂の制作・運営もしています。
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Posted by takapu