青森県黒石市・Cafe drama 街に流れる時間がドラマになる。
人にとって、カフェに求めるものは十人十色。
例えば、午前と午後を切り替えるための、スイッチの役割だったり、
職業を演じる人が一日の終わりに立ち寄る、自分に戻るための楽屋だったり、
あるいは、人と人とがつながるための連結点だったり。
どういうわけだか、カフェには色々と求めてしまう。
黒石のメインストリート・こみせ通り沿いに4月にオープンしたのが、
このCafe dramaというカフェ。
元々、パスタ・ピザのお店があったこの場所に、
表参道のカフェで働いていた黒石生まれの方がUターンして、
居抜きの店をリノベーションした空間。
前のお店時代から引き継いだカウンターはそのままに、
お店の壁にはオーナーが好きな映画を流している。
ランチタイムから少し過ぎた時間に立ち寄ったので、スイーツとドリンクを注文。
ふわっと軽い口当たりのティラミスと、
大正天皇が口にした水と同じ水源の水で淹れたという大正コーヒー。
ずっしりと飲みごたえのある一杯がいい。
ところで、足を運んだ時期は桜の時期。
ということで、シーズンメニューとして黒板に書かれていたのが「桜ラテ」。
ホットにしてもアイスにしても、
桜のフレーバーシロップを使うだけじゃなく、黒石の桜の花弁が添えられる。
こういう心遣いが、お店の記憶を一層深いものにしてくれる。
このお店を切り盛りするのは、まだ若い一人の女性。
黒石の地に戻り、お店を始めた理由というのが、
「街の中に人が集まるコミュニティ空間を作りたかった。」からとのこと。
愛郷心が形になったこのお店。
その想いがお客さんに伝わることで、きっと今日も新しいドラマが生まれているはずだ。