高円寺・ペペルモコ 嗜好品の引力
Happy Christmas!!
初めて高円寺に立ってみると、
駅から放射線状に広がる商店街の数に驚いてしまいます。
昔、マーケティング天国という番組が好きだったのですが、
そのベストセラーランキングでよく登場したのが「高円寺純情商店街」。
実際に歩いてみると、城ヶ崎アナのナレーションを思い出したり、
文明堂が妙に似合うなぁと色々思ったり。
妙な部分で感慨深くなりました。
で、バスロータリーに添って見つけたのが、高円寺中通り商店街。
そして入口に佇む珈琲店の、魅力的な外観に引き寄せられました。
まるで、青森のマロンや新潟のcafe砂場、あるいは徳島のいかりや珈琲店のようです。
最近、平成に生まれた口コミよりも
昭和の口コミの絆が強いと感じることが多くなりました。
外観から伺うに、ここも開店当初からのお客さんが知り合いを連れて来て、
カウンターに座るお客さんが増えていったんだろうなぁ・・・と。
もちろん、自分が好きなお店はこんな感じのお店です。
お店に入れば、ご婦人とカウンターをぐるっと椅子が囲み、
常連とおぼしきお客さんとの会話に花が咲いていました。
奥の席に腰掛けて、壁に貼られた大きなメニューボードに目を移すとケーキセットの文字。
アメリカンやイタリアンなど、4種類のローストからジャーマンローストを選び、
4種類のケーキからカシスムースにしてみました。
豆の入った缶から分量がミルに移され、挽きたての香りがあたりを包みながら
入口のケースから運ばれたケーキが、カウンターに鮮やかな花を咲かせます。
洗練された艶感、フォークで一口大にカットして口に運ぶと、
爽やかな酸味と濃厚な甘みの調和が一気に舌を走ります。
昭和のシンプルな構造ではなく、三層にムースが重なった味からは、
お店の雰囲気と違ってシャープな印象。
伺うと、代々木上原のダリオルールというお店のケーキを置いてるそうです。
そこに、朝に飲みたくなる優しいジャーマンロースト。
ケーキとの相性は言うまでもなく、
即興的な関係ではなく、毎日高まり合うような関係。
濃密なんでしょうね。
洗練されたカフェが次々とできる中で、
こういったお店にはマイスターとしての矜持を感じます。
でも、それはきっと自然体で生まれたもので、自然に培われたもの。
いつだって、引き寄せられる理由はシンプルなんですよね。