雑司が谷・あぶくり ローストポークとリンゴのサンドイッチプレート
東横線の渋谷駅が地下ホームに移転して、
横浜と埼玉が一本でつながって最初の日曜日。
丁度、手創り市の開催日ということもあったのですが、
会場の鬼子母神堂や大島神社を中心に、
雑司が谷界隈の人通りが、特に多く感じたのは気のせいでしょうか。
もちろん、何か食べようと思ってもキアズマ珈琲は満員御礼。
でも、今日はこのお店に来たかったんです。
目白通り沿いのマンション2階、
階段そばに置かれた手書きのメニューに「あぶくり」の文字。
さっそく階段を昇ると天井の剥き出し感と、
キッチンカウンターの賑やかな色合いが織りなす空間に、
引き込まれてしまいました。
ここの目玉メニューはサンドイッチ、
6種類のメニューにはコンビーフと玉子という王道系や、
コロッケ風といった心くすぐるものまでラインナップ。
でも、今日はローストポークとリンゴのサンドイッチにしました。
ローストポークにキャラメリゼされた褐色のリンゴ。
味を整えるのはタマネギジャム。
軽くトーストされたパンは、地元の赤丸ベーカリーのもの。
サンドイッチを丁寧に挟む工程は、
おむすびを一つ一つ結ぶのと同じ感覚。
つまりこれは、雑司が谷の手仕事なんだと思います。
爽やかな香りと動物的な旨味が融合したスープも、
3種類のピクルスの食感もサンドイッチの味を際立てます。
特にプレートに添えられたサラダに散らされた赤いトマトの、
凝縮された甘さに驚いてしまいました。
セットのコーヒーもこれまたご近所の、
目白台のエスプレッソ・フェリーチェ・ロースター(現・CoRo Coffee Roaster)。
中炒り・フェリーチェブレンドの味で締めくくるのですが、
添えられたデザートのチョコブラウニーの美味しさに、
口内炎持ちの口でつい興奮。
次回は、万全の体制でいただきたいものです。
柔らかな陽射しに照らされるテーブル席、
そこにはイスが何種類もあったり、
日替わりパスタやカレーが美味しそうだったり。
座る場所や食べるものによって、
同じ空間の中で違う時間が過ごせるのが、
普段使いにも良さそうですが、
特にお店の奥にある大きなテーブルが印象的でした。
あの場所がコミュニティスペースとなって、
雑司が谷に新たな文化が芽吹くんだろうと思います。
そんなお店で来月開催されるのが、
経営によるまちづくりスキームの推進に取り組む木下斉さんと、
現役大学生ながらに、自腹で理想のファッション誌を作り上げてしまった、
島崎賢史郎さんによるトークイベント。
単なる名声屋とは真逆の、事業を通じて結果を残す二人が揃うこのセッション。
もしかすると22世紀という未来に向けた礎になるかもしれません。