北参道・ベラミ オムライス(800円)

千駄ケ谷小学校の向かいに並ぶ飲食店。
先日足を運んだcurryupの隣にあるのが、
懐かしい時間が流れている顔をしたこのお店。
庶民的な洋食屋さんと断定する感じでもなければ、
トップランナー的に時代を駆け抜ける感じはない。
coffeeと書かれた木の看板の味わいが、
更にその雰囲気を増幅させています。
そんな不思議な外観のドアを開けば、そこはスナック風の内装。
夜の7時までは食事メニューとして、
洋食を中心とした定食を提供しているそうです。
実は、本命に決めていたのが、
店頭のメニューにも書かれていた「焼モツ丼」というもの。
…でしたが、レギュラーメニューから日替わりのレアメニューへと、
配置転換されたそうでこの日は不在。
ということで、2番目に気になっていたオムライスを注文しました。
ベーコンとケチャップが大胆に彩りを添えるオムライス。
早速スプーンで一口分を掬ってみると、
見た目の印象以上に厚みのある卵焼き。
緩くダラダラにチキンライスに混ざるものではなく、
表面のふわトロ層とプルンとした層が、
自然な二層構造になっています。
昭和のオムライスは薄い卵焼きで包まれているか、
卵とケチャップライスを混ぜ込んで焼くのが基本系。
一方、平成のオムライスにはふわトロの卵焼きが乗っていて、
そこにケチャップではなくソースが注がれています。
で、こちらは昭和スタイル。
一口食べれば、たっぷりのケチャップ味に、
刻み玉ねぎとベーコン。
そこに隠し味にカレースパイス。
隠し味といいつつ、メインボーカルの座を奪っているものもある昨今、
しっかりとバックボーカルで味わいのハーモニーを奏でています。
何口か食べ進め、味噌汁で舌の感覚を少し変化させて、
手を伸ばした先には黄色い丘の上に走るベーコン。
太く逞しくジューシーで食べ応え抜群。
最初は、大盛にしようかと思ったのですが、
これのおかげもあって、予想以上の満腹感。
これは、昭和と平成のいい所をミックスさせたオムライス。
赤い交差点にオムライスの変遷を感じつつ、
このぐらいの進化が心地いいなぁと思ったのです。