東長崎・せきざわ食堂 アコガレ食堂
子供の頃、「いつか行きたいなぁ」と思っていたのが、
実家の駅前にあった一軒の食堂。
緑色のファサードが目立つそのお店の店頭には、
ハムエッグ定食というメニューの文字。
「ハムエッグだけで定食?」
という、忘れられない不思議な気持ちがあって、
今でも脳裏に焼き付いているのです。
でも、大人になったらお店の暖簾をくぐろうを思っていたのに、
時代の流れや再開発の影響で、
いつの間にか食堂は姿を消してしまいました。
それもあって、昔から営まれている食堂には、
一種の憧れを持っているのですが、
たまたま見つけた「せきざわ食堂」にも、
同じように惹かれたのです。
昔のままとおぼしき店内には、メニューが書かれた張り紙がベタベタと貼られ、
コの字型のカウンターでは、仕事帰りのサラリーマンやおばちゃんが、
旨そうにカレーを食べたり、サンマ定食を食べたり。
その表情は、自宅以上に自宅で食べているようなものでした。
で、イラスト入りのメニューに惹かれて注文したのが、まるとくカレー。
大盛りのカレーの上には目玉焼、
そこにアジフライ、エビフライ、
さつまいものフライに、玉葱フライ。
もう、フライ天国です。
市販のルーに一工夫された味は、
甘さとコクに厚みがあって、
まるで家で食べているような感覚。
(ある意味そのままですが。)
熱々のフライを頬張りながらカレーを食べて、
間に千切りキャベツやマカロニサラダを挟みつつ、
たいらげたという言葉を地のままで行くボリュームを完食。
これで、驚きの600円。
うれしくて泣けます。
次は、カツ丼にしようか、
それともショウガ焼き定食にしようか。
定食屋さんからの帰り道は、
もしかしたら世界一幸せな帰り道かもしれません。