弘前・西洋茶寮甚兵衛 コーヒーとナポリタン
土手町から弘前公園に向かって散策していると、洒落たカフェを見かけることが多い。
それは、街のデザインを不規則なものにする店ではなく、土手町が持つ雰囲気によって洗練されたお店ばかり。そして、自分が足を運んでいないお店ばかりでもある。
で、百石町展示館の中にあるこのお店も例に漏れず。ということで、雪が積もったある日の午後、暖を取るために入店することにした。
明治16年に建てられたお店は天井が高く、至るところに木柱が張り巡らされており、温もりのある縦と横の規則的なデザインが、建物の中でありながら開放感を感じさせる。この感覚は、建築中の木造住宅にこっそりと入ったときのそれに似ている。
コーヒーを飲みながら待っていたナポリタンはトマトがとても甘く、洋食屋さんの親しみやすいあの味に、更なる洗練を加えたという印象。トマトを栽培している方の名前がメニューに書かれているだけあって、
名前を出すことで高まる期待値を十二分に上回っている。
どうやらハヤシライスも旨いようで、暖を取る以外の目的でも足を運ばねばならないと思った。