新潟駅から宿を経由してタクシーで向かったのは、
新潟一の繁華街・古町。
到着すると出迎えてくれたのは雨空。
時に強く時に優しく、路面を潤してくれます。
そんな街の一角にできていた行列、
この主こそが新潟タレかつ丼の元祖・とんかつ太郎。
食べたくて会いたかったお店です。
ガラス扉が開き、店内に誘導されると
あっという間にカウンター席は埋まり、
店内を「かつ丼」の声が埋め尽くします。
もちろん、自分も声の主。
何でしょう、この不思議な一体感は。
目の前に運ばれてきたかつ丼は、
まるで5枚のかつがご飯の蓋。
卵もタマネギもありません、これだけです。
醤油ダレの甘い香りで食欲がぐんぐん高まる中、
もちろん、一口目はかつから。
さっくりした歯触りと、じゅんわり広がるタレのうま味。
染み渡る甘辛な味には、感動すら覚えます。
「5枚も乗っかってるんだったら、薄いんだろう?」じゃないんです。
約1センチの食べごたえあるカツが堂々と鎮座。
だから、食べ応え十二分、満腹も十二分。
もう、夢中です。
食べ終わりに見えてくる太郎の文字。
どんな楽しい時間にもエンディングは付き物ですが、
この瞬間の寂しさはちょっと別格。
食後、おかわりしてしまおうかと思ったのですが、
昼のピークに向かって、店頭の行列が長くなってたので、
後ろ髪を引かれつつお店を後に。
このお店のためだけに、新潟へ。
そう思えるお店です。