東銀座・ぺるしぃ 本日のランチ(1,000円)

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約2週間ほど前、自分は東銀座の裏手にあるお店に開店と同時に訪れた。出迎えてくれたのは、還暦を迎えたシェフと、シェフの味をささえる顔なじみの女性スタッフ。
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まだ、青森と東京の気温差に慣れてない身体から流れる汗。そんな水分を補ってくれたのは、お気に入りの葡萄ジュース。一昨年、自分が最後に訪れた時にものとは違うものだというが、一口飲むと、葡萄の耽美な甘さとわずかなホロ苦さ、一粒に宿る全てが凝縮された味が口に広がる。
グラスが半分ぐらいになったところで、メニューを見る。本日のランチは3種類、まだ食べたことがなかったこのお店特製のハヤシライスも気になったが、「今日はハンバーグ!」という弾むような声を聞いたら、これを頼むしかなかった。
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本当の意味での調味がされた、上品で繊細な鶏ガラのスープと、シャキっと引き締まった春大根のサラダ。それを食べながら時計に目を送ると、針はもうすぐ頂点に達するところ。次から次へと界隈のお客さんがドアを開け、空席が残っていたことに対する安堵感に満ちた表情になる。
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ゴロンとしたハンバーグが目の前に運ばれてきたのは、お店が満席になってからのこと。
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ナイフで切れば肉汁が流れ出す。でも、見せ掛けのように大量の脂が流れるかのような下品なものではない。そこに炒めたタマネギではなくサラダオニオンを入れることで、フォークで口に運べばシャクっとした食感と共に甘さが広がり、肉の重厚な歯ざわりと対極の食感を生み出している。
とにかく、肉の味。脂の味ではなく肉のエキス。赤身が好きな自分にとって、これはストライクなハンバーグ。そんなハンバーグの肉味を際立てているのが、オレンジマーマレードを加えたソース。柑橘のすっきりとした口当たりが、ソースに軽さを加えている。
横に添えられた野菜は、さっと塩と胡椒で味付けられたもの。ソースと重複しない味付けなので絡めて食べると、野菜の甘みとソースからあふれ出す柑橘の味とが合わさり、まるでシェフの遊び心に満ちた楽しい悪巧みのような味になる。
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そんな時に、ようやくお出ましとなったのが、このお店の名物である自家製パン。サーモンのリエットを塗りながら食べる、モチモチとした独特の食感に包まれたリエットは、最後の一口にはたっぷりと塗りこむ。贅沢な瞬間だ。
思えば、青森でよく行く店は食堂系。それは何を食べても旨いからだ。そして、ぺるしぃはビストロ。自分にとって通いやすく飽きが来ないお店は、やっぱりここみたいなお店だと改めて思った。

【この記事を書いた人】

合同会社ソトヅケ代表社員/Local-Fooddesign代表

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