池袋・故郷(ノタガ) ホルホグなる羊肉の料理とアイラグなる乳製品
とある打ち合わせがあって、モンゴル料理のお店に行くことに。で、モンゴルのお国柄イメージを考えると、「モンゴル料理のお店に行く」=「乳と羊を食べに行く」という妙な先入観になる。
そんなイメージを持ちながら、歩き慣れてない池袋の駅を出てから、迷って歩いて約10分、ようやくたどり着いた店に入ると、そこは今どき珍しいほぼ蛍光灯な店内。
席に着くと、最初に出されるのがこの揚げ菓子。羊の脂を使って揚げられているのだが、特有のクセはなく、少し強めの食感と生地のうっすらとした甘みが、素朴で落ち着く味。
で、これをボリボリ食べながら、メニューから注文したのは、「初めての人にはこれを勧めている」という指示に従って、ホルホグ(羊の行宮焼)をメインに、ボーザ(蒸餃子)、細切りジャガイモのサラダ、数少ない豚肉メニューから豚の耳、そして、アイラグ(馬乳酒)を注文。
最初に運ばれてきたのがアイラグ。現地では乳酸菌が多い馬の乳を発酵させて、アルコール度数が低いお酒となるのだが、ここではソフトドリンク扱いで提供されている。
で、下戸の自分が飲んだ感じとしては、アルコールっぽさは感じなかった。ただ、これは酸味が前に出た味ゆえに、アルコール感が消えて感じたものなのか、それともアルコールゼロにする製法があるのか分からない。
このお店、これにオレンジ等のフルーツを入れたタイプも出しているのだが、酸味と乳そのものの味がしっかりと感じるのと、変にクセがないということで、プレーンタイプが一番飲みやすく、料理との相性もよかった。
次にボーザを箸で挟んで噛んだところ、とたんに溢れてきたのが、羊の脂。小龍包的に容赦なく溢れるのだが、やはり脂にはクセがなく「こんなに脂が入っているのに?」という具合。ただ、さすがに冷めると少し厳しいが…
細切りジャガイモのサラダと豚耳の和え物は、前者がドレッシング、後者がポン酢的なもので、いずれも酸味を前に出した味付け。ただ、これを本格的に食べだしたのは、この料理が出てきた後であった。
とにかくでかいこの羊肉、しかも、骨付きなのでどうやって食べるべきか…と思っていたら、お店の方が食べやすく切ってくれた。脂身のゼラチン質のクニャクニャとした弾力と、身から溢れるエキスは力強さ同士の組み合わせにもかかわらず、食べやすさに満ちた一品。
作り方としてツボになるであろう、クセを活かすかクセを抜くかという部分で、クセを上手く抜きつつ素材の良さをしっかりと残してることが大きい。また、野菜も水分がいい具合に抜けて、甘さや旨さだけが残っている。
で、これを食べ続けていると、冷めてくることもあって、さすがに肉の脂感が少しずつ口に残りだす。とここで、先の細切りジャガイモのサラダと豚耳の和え物を食べると、酸味がこれをやわらげてくれる。
肉料理は、冷める前に食べないと、少しきつくなるというのは、どの肉料理にも言えることではあるが、少なくとも、自分は牛肉の脂身と比較して、こちらのほうが食べやすさを感じた。次は、ここの鍋料理を食べねば…
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