笹塚・炉端座八戸 一杯のせんべい汁でできる支援の形。
震災以来、都内にある飲食店は、
活気がない状態が続いているという。
被災地に対する自粛ムードによって、
ハレの日的なイベントである「外食」という行為から
遠のいてしまうのは、仕方がないことであるが、
その一方で、なんだかんだと言っても、
東京のように経済規模が大きい箇所が先頭に立って、
日本経済を循環してきたことによって、
地方の経済が成り立ってきたのも事実。
事実、自分も青森県にいた時は、
やっぱり東京を中心とした首都圏の方に、
いかに青森を知ってもらうかということを考えながら、
色々な地域活性化の活動に参画していた。
もし、首都圏でこの状況が続いてしまうと、
地方と大消費地との商流が滞ってしまい、
日本全体の経済活動が縮小してしまうことになる。
それだと、誰にとってもいいことがない。
それが不謹慎かどうかというのは、
自分の考えに明確な理由があるかどうかで、
自分自身で鍵を開けるものだと思う。
だから、今以上に被災地の食料や加工品を、
積極的に食べることにした。
ということで、向かった先は炉端座八戸という笹塚のお店。
中央にある大きな網を取り囲むカウンター席に座って、
iphone片手にメニューを吟味した。
最初に運ばれてきた刺し身三点盛りは、
しめサバにイカそしてホヤという、
八戸のクリーンナップ的なラインナップ。
貝焼き味噌は、ふんわりした卵の口当たりと、
ホタテの旨みが折り重なる一品。
ホタテ殻の縁の具合で、お店のこだわりが伺える。
スタミナ焼きは、「スタミナ源たれ」を使った鉄板メニュー。
生卵を崩しながら、源タレ独特の味と香りが全開の肉野菜炒めを堪能。
これぞビール向けな一品。
そして、八戸せんべい汁を食べないわけにいかない。
大きめのせんべいは、上等なアルデンテ。
旨いおつゆに浸ったこの一杯が、
何より身体を温めてくれる。
締めはおにぎり。中身はすじこ。
このお店、震災以降は八戸せんべい汁の売り上げの半分
(1杯500円なので250円)を義援金としている。
八戸出身の方が料理を作られているお店だからこそ、
こういった活動で意思表示をし、
そのことを知ればお店を通じて応援したくなるので、
積極的に通いたくなる。
そして、こういったお店が増えれば増えるほど、
青森は被災地は元気になる。
自分も、しばらくは被災地に関する食材や食文化、
あるいは色々な形で意思表示をするお店を選んで、
食べることが多くなるんだろうと思う。