虎ノ門・峠そば 金目鯛そば(530円)

【ライタープロフィール】
takapu

2004年から日本全国のおいしいものを撮り綴ってきた「ひるどき日本ランチ日記」を再構築。
街の食堂からパン屋さんまで、日本全国の「これを食べたいから、ここに住みたい!」と強く惹かれたお店を、元国家公務員のフォトライターがご紹介します。
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峠そば-01
お昼休みの虎ノ門。
色々なお店が立ち並ぶこの界隈は、
数年前にあったはずのお店が姿を消し、
新しいジャンルのお店に模様替え。
そんなことが珍しくありません。
そうなれば、街には洗練された看板が増えるものですが、
だからこそ白地の暖簾に、「そばうどん」と力強く書かれた文字に惹かれるものです。


峠そば-02
店内に入るといきなりカウンター。
そして、手書きのメニュー。
右から順番に冷やしのラインナップを追うと、
目に止まったのが金目鯛そばの文字。
煮付け?それとも?といった疑問をお店の方にぶつけると
「金目鯛の天ぷらです」とのこと。
となれば、興味は増してしまうもので、
これを冷やしで注文することにしました。
峠そば-03
注文したそばをカウンターで受け取って、
その場でお代を払う。
左手には、出汁を引くのに使った大量のかつお節が、
サービスのおかかに姿を変えて、
箸で挟む度に小さな喜びが器の中に積み重なります。
峠そば-04
ズズッと啜れば、出汁の効いた少し辛めのつゆの味。
そして、鯉が滝を昇るように、
ハリのあるそばが口を伝わって姿を消していきます。
金目鯛の天ぷらは、サクサクの衣に包まれた脂のコクとやさしい旨味。
立ち食いそばの組み合わせとしてはあり得ず、
しかも値段を考えれば、相当太っ腹。
あっという間に完食したのはもちろんですが、
この食後感は久しぶり。
手間と真逆のイメージがあるのが、
立ち食いそばの宿命ですが、
ここのそばは手仕事が積み重なった味。
狭い厨房での所作には、感動すら覚えます。
何を食べるか困った時に足を運びたくなって、
しかも毎日通っても飽きそうにない。
食後、24時間後の未来を想像して、
笑顔になってしまうお店って少ないものです。