銀座・むぎとオリーブ 鶏SOBA(850円)
松坂屋が改築中になっていることもあって、
最近銀座6丁目界隈に用事がなかったのですが、
久しぶりに裏手を歩いてみて見つけたのがこのお店。
「カフェかと思ったらヘアサロンだった」的に、
一見すると雑貨屋さんっぽさもあるのですが、
その正体は今月開店したばかりのラーメン屋さん。
早速、店内に入ってみると、
L字を180度回転させたようなレイアウトに沿ってカウンターが並び、
壁際にはウェイティング用のイスも並びます。
右手の食券機を見ると、
鶏SOBA、蛤SOBA、そして鶏・煮干し・蛤のトリプルSOBAの三択。
煮干しの文字が神々しく見えつつも、
迷ったら一番左上にあるボタンを押すという鉄則に従って、
鶏そばを注文しました。
カウンター越しには、麺箱に入った鶏節や長いものディスプレイ。
両隣の空席には女性の一人客が次々と着席。
やっぱり、これは作り込んだ結果なんでしょうね。
食券を渡してからの時間、そんなことを色々と考えていました。
目の前に出されたラーメンの器。
黒に近い醤油の色合い、
そこに大きなチャーシュー、長いも、なると、
三つ葉にネギ、そして鶏節。
ノーマルバージョンなのに、具の量はなかなか豪華版です。
薄めの油膜の下から麺を引き上げると、
湯気に乗って鶏とかえしの香りが立ち上り、
レンゲでスープを一口飲めば、
醤油のコクと鶏の旨味の組み合わせ。
色と反比例した少し甘めのやさしさもあって、
二口三口とレンゲを動かします。
そして、麺を啜ると小さな香りの吸盤がなお一層、
鼻腔と少しずつ一体化していく感じに。
ストレートパキパキ系の細麺は、
ライトに照らされると一目でわかる茹で加減、
噛みごたえのある歯触りと、すすりごたえのある四角い断面。
全体に切れ味のあるスープと麺の組み合わせに、
エシャロット入りのオリーブオイルを数滴落とせば、
不思議とさっぱりした口当たりに変化します。
鶏と豚のチャーシューや、長芋の素揚げ、
あるいは結びナルトを食べつつ、
残りのスープを飲めば、ラーメンの食後感というより、
「こういう料理」という感じにも。
次はハマグリかはたまた煮干しとのトリプルか。
きっと食券機の指は迷うことでしょう。