北海道札幌市・【ouchi】 がんチキチーズスープカレー(1,200円)
東京にいたころのように、ふと「あぁ、スープカレーが食べたいなぁ…」と思っても、青森には脳裏にパッと思い浮かぶスープカレーのお店がない。
だから、札幌に来たからにはということでスープカレーのお店に足が向く。宿のあったすすきのから、道すがら狸小路の産直で売られていた野菜の姿を眺めつつ、到着したのはこのお店。
家庭の台所に見られるような必然性のある雑多感と、お店として必要なものが並ぶ「魅せ」の部分、そして、落ち着いた明るさに照らされたソファー席。入口のドアを開けた瞬間に広がる視界と、キッチン近くの席からドア側を眺めた視界をつなぐのが一体のE.T。
カウンターにおかれた梅酒を飲みながら…と思ってしまうぐらいに、居心地のいい空間の中で食べたカレーは、がんチキチーズスープカレー。このお店には、血液型別メニューというものがあり、AB型の自分向けに作られた一品だ。
器の中には、たっぷりの野菜と大胆に投入されたチキンレッグ。そして、がんもどきとチーズのトッピング。だから、「がんチキチーズ」スープカレー。茶系がベースになっている中で、鮮やかな主張をするピーマンとパプリカの差しが、見た目にメリハリをつけている。
スープを口にすると、短に辛いだけの薄っぺらなスパイシーな味ではなく、ずっしりと旨さが宿ったスープだからこその分厚い味。スパイスが活きて、スープの旨さが引き出される理想的な組み合わせ。
そんなスープと馴染んだ野菜の味も、瑞々しさがしっかりあってのもの。ここにもメリハリが効いている。そして、たっぷりとスープを吸い込んだがんもどきを頬張ると、じゅわぁ…と喉を通って体内に滴る。
あとは、ごはんをスープに入れて、野菜、チキン、という順番に食べ進める。ホロっと骨から身がほどけるチキンも、パサツキなしのジューシーなコンディション。チーズと絡めてコクを強めに食べる一口も旨し。これだけの嬉しい要素が揃うと、あっという間に食べ終えてしまう。
通販もやっているので、このお店の味を楽しむ方法は複数用意されているが、やっぱりこの空間だからこその味だと思う。居心地の良さとカレーの良さを提供するこのお店、自分が札幌の人間だったなら通い必須だ。