大阪・本とん平 王道たるもの。
梅雨時に旅に出る時は、
雨空とのにらめっこがつきものですが、
空の旅にはそんな心配無用です。
初めてのスターフライヤー。
青空と灰色の雲との間を縫いながら、
革張りのシートとタリーズのホットコーヒー、
そして特製のチョコレートをお供に。
これが機内で販売されていたら、
職場方面のお土産にもいいんでしょうね。
かさばらないサイズは旅のお土産にピッタリですし。
初めて降り立った関空のターミナルビル。
滑走路に降りてターミナルビルまでの間、
窓越しにピーチや色々な国のエアラインの姿を見ると、
羽田と違って彩り豊かだなぁと思うものです。
窓の外に広がる景色も含めて、
新幹線で向かう大阪とは別の顔が出迎えてくれます。
特急はるかの時間には合わなかったのですが、
JRの関空快速に初めての乗車。
東の山手線に対する西の大阪環状線。
大阪駅までに流れる車窓には、日常的な大阪が映り、
時にあべのハルカスや大阪ドームのようなシンボルが入ると、
ちょっと得した気分になります。
ホテルに荷物を置くとやっぱりコナモンモードになります。
ということで、向かった先は本とん平。
とん平焼きの元祖たるお店で、
西の身体にしておきたかったんです。
この感覚は、青森に着いたら一刻も早く煮干しラーメンが食べたくなるのと、
ちょっと似てるかもしれません。
ちょっと三角形のカウンター席に座り、
数年前と変わらずおかみさんが焼いてくれたとん平焼き。
メリケン粉ととろろをブレンドした生地と
薄く焼かれた卵焼きで豚肉をサンド。
あとは秘伝の甘辛ソースを塗れば出来上がり。
鉄板に触れた瞬間に広がる凝縮されたソースの香りが、食欲スイッチをオンにして、
一口頬張るごとに豚の弾力とソースの香りに包まれた生地の旨味を堪能。
世界に一つしかない本当の意味で伝承された味を、
少しほろ酔い気分で堪能です。
ビールの勢いも手伝って、牛すじこんにゃくのお好み焼きも注文。
しっかり味が染み込んだ弾力の塊をヘラで口に運べば、
ソースと醤油の融合で生まれる香りが、たまらなく心に沁みて、
縁もユカリもないはずの地なのに、おかえりの声が聞こえてくる錯覚。
旅先で一番触れたいのはこれなんです。
旅の記憶と味の記憶は、香りで繋がっている。
これからも、自分と大阪との関係は、そうありたいものです。