青森→十和田→八戸→弘前 しょうが焼きとナポリタンで、青森流カリナリーツーリズムをする約300キロ ~その3・初めて八戸でせんべい汁を食べた夜。~
東北新幹線の現在の終点は八戸駅。自分も途中下車してソウルフルなワッフルを食べたりしたが、実は本当の繁華街はこの駅周辺ではなく、本八戸という駅周辺にある。
そこに、このみろく横丁が生まれたのは数年前。20以上のお店が軒を連ね、新鮮な魚介類からラーメンまで、色々な料理を提供している。しかし、一環しているのは「横丁」というガイドラインを設けているからか、らしさがあるお店だけで構成された空間であること。
色々なジャンルのお店を詰め込みすぎて、魅力が反比例するのではなく、生み出したい空気を出すために必要なお店だけが並んでいるその姿は、飲食店コミュニティのあり方としてお手本になると思う。
で、数あるお店の中から自分たちが選んだのは、せんべい汁名人であるこちらの方もオススメしている「わが家」というお店。
店内…というより、ドアを開くと目の前にはコの字型のカウンターがあり、あとはこれを囲むように椅子が10脚程度。そんなこじんまりとしたお店だ。
でも、こじんまりとしているゆえに、料理との距離が近い。
数々のお惣菜を見ていると、あれもこれも食べたくなってしまうが、鮫のナポリタンがまだお腹に入っている状態なのと、この後にしょうが焼きとナポリタンが待っていたため、厳選して注文したのが、しめ鯖とせんべい汁定食。
八戸の鯖は、「八戸前沖の鯖」とご指名的に呼ばれ、国内でしめ鯖の原料として用いられている鯖の大半は、ここで水揚げされたものである。それにしても、驚くべきは身の厚さ、そして旨みを殺さない絶妙の〆加減。脂もエキスもバシバシ乗りまくっている。
そして、しめ鯖を炙ったしめ鯖には、豊かな香りやトロっとした舌触りが生まれる。この二つは、絶対に食べ比べして欲しい逸品。
ここで、通常のしめ鯖を2切ればかしお皿に残す。というのは、注文したせんべい汁定食のご飯と合わせて食べてみたかったからだ。
もー…たまらない。野菜とダシ、そしてせんべいが織り成す素朴な香りがたまらない。
野菜の旨みが汁に伝わり、汁の旨みが野菜に染みこむ。そんな交わりで生まれた味を一手に受け止めるのが、主役のせんべい。
よく、これの食感は「アルデンテ」と言われるのだが、唇に適度なヌメリ層を感じ、歯にプルプルとした表面が当たって、中心の食べ応えに満ちた部分へと至る流れは、確かにアルデンテ的なもの。
さすが、汁のアクセントにもなり、主役にもなっている稀有な存在。一度食べた方が深くハマってしまい、色々なお店で食べてみたくなる理由が分かる。
そして、せんべい汁にはいくつかのバリエーションがある。これは海鮮せんべい汁。ベーシックなせんべい汁がしょうゆベースなのに対して、こちらは塩味。これも、食べ比べ必須といった味になっている。
陽射しがなくやや涼しげだった一日、少し冷えた身体を温めてくれる一杯を口にした後は、再びしょうが焼きとナポリタンハンティングへと向かうのであった。
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